あなたの居場所を…

☆11☆なにが… ページ12

side 西島



なにが付き合ってるだ。



千晃の口から藤堂さんとの関係を聞いて。



自分の気持ちに気付くなんて。




あ「お疲れ様。」




楽屋から出ていく千晃の後ろ姿はいつもより小さくて。




“守りたい……”





西「気がつかなきゃよかった。」





與「せやな。




飲みにでもいこか？たまには二人で…」









side あなた




なんか…これでよかったのかな？



千晃の居場所を守るだけのつもりだったのに



嘘が嘘を呼んで



心が痛い……




泣きたいのに泣ける場所がなくて。




啓太……会いたいよ。





いつになっても住み慣れない千晃のマンション。





あ「たまには飲もうかな？」




財布とスマホだけを持ってコンビニまで。



素っぴん!!ラフなスエット




“千晃”なんて感じさせないぐらいに




Aのままで居れる時間。




あ「西島さん…怒ってたよな。



他のメンバーさんも。



千晃に悪いことしちゃったな。」





コンビニの帰り道




見上げた空。






「別れた理由がそれ？」





後ろから聞きなれた声に




足が進まなくなった。







side 新田




小さなカフェのオーナー。



それがオレの仕事で……



行き交う人を見ながらコーヒーを淹れる。




Aと別れてからの日々は時間が止まったように過ぎて。





新田「A！」





店の前を男と手を繋いで仲良く歩く女。




それがAに見えて。




店から飛び出した……






新田「A……。



A!!」




呼んで振り向きもしない。あぁ。




本当にオレとAは……




手を伸ばそうとして止まった。





新田「千晃……。」

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