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｢んーなんも聞こえねぇな｣
｢まあ扉厚いもんな｣
結局何も聞こえなかったみたいでまた沈黙が走る
｢康二、俺の目の前で倒れたんすよ｣
｢え？｣
｢理由はわかんないんすけどいきなり、｣
｢目黒がいたから幸い怪我は無かったんだけどね｣
｢阿部と佐久間が言うには昨日飲ませすぎたんだって｣
｢でも、どう考えてもおかしいんすよ、｣
さっきから思っていたことを口にした
｢康二って潰れる前に次の日に
迷惑かけたくないからってセーブするタイプで、
これまであんなになってるの見たことないんです｣
｢めめが言いたいのは二日酔いじゃないと？｣
｢はい、きっと…｣
｢でも俺も康二はそういうタイプだと思うな｣
｢そうだとしてもどうすんだよ｣
｢ねえ、ひとつ聞いてもいい？｣
これまで黙って聞いていたラウールが口を開いた
｢めめは康二くんと仲直りしたの？｣
｢え？｣
｢だって最近の2人、前と違ったじゃん｣
｢お前、気づいてたの？｣
｢うーんなんとなくだけね、｣
喧嘩、ではないだから仲直りとも言えない
想いを伝えられない苦しさに胸が締め付けられた
｢こいつ、康二のこと好きなんだって｣
｢っちょっ翔太くん！｣
｢その分じゃお前一生言わないつもりだろ？
味方は1人でも多い方がいいんだよ｣
｢その気持ち俺ら気づいてたよ？ね、ラウール？｣
｢うん！だから2人喧嘩したのか心配だったの｣
俺より先にバレてたことに驚いて
会話が耳をすり抜けていった
ーガチャ
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作者名：蓮 | 作成日時：2020年11月15日 16時
