花は拾えど恋は拾えず《めめこじ》 (ページ11)

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｢うわっお弁当おいしいな！｣

可愛い、

｢唐揚げ美味しすぎやろ！｣

可愛い、

あのあとリハして、お弁当食べて、リハして、
朝から6時間くらい経った今のカウントは72
ガチで数えたらこうなったけど、多くね？

俺に話しかけられるのは日常会話だけだけど
ここまでいくとは相当末期だわ

｢めめーーー！｣

天敵ラウールと佐久間くんがニコニコいや
ニタニタしながらこっちに来る

｢で？何回だった？｣

｢72｣

｢え？｣

｢だから72だって｣

｢めめ、それ相当やばいよ｣

｢逆になんで気づかなかったの？｣

｢なにに？、｣

｢佐久間的基準だと10超えれば好きだよって

言おうとしてたけど上限超えちゃってるよ｣

やっぱ俺、康二の好きなのか、

｢めめ、男同士とか気にしてるなら関係ないから

好きなら好きって言わないと｣

いつの間にかいた阿部くんの言う通り
俺はずっとどっかで引っかかってた
男同士なんだから好きになるわけがない

どこかで俺の中だけの常識が崩れる音がした

好きになった相手がたまたま男だった、
それでいいじゃん、たまたま康二だったんだよ

可愛くて人懐っこくてでも捕まえておかないとどこかに行っちゃいそうな康二が好きだったんだ

｢俺、康二のこと好きみたいっす｣

｢｢｢いや、遅っ｣｣｣

｢え？｣

｢認めるの遅すぎ、｣

｢そうとなれば応援しないと｣

｢うーん初めは意識してもらわないと｣

そう言って当事者の俺を除いた話合いが始まって
なぜか俺はその日まっすぐ帰された