花は拾えど恋は拾えず《めめこじ》 (ページ2)

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謝ろう、そう決めて送迎車に乗ったのに

康二くんにはうまくかわされて

挙句の果てにはマネージャーに話を切られて

ことごとくついてない。

｢はぁ｣

ため息しかでねえよ

｢康二、目黒の隣行かなくていいの？｣

｢うん今はふっかさんの隣がええもん｣

1番後ろの会話がすっと耳に入って来る。

ああそういうことか

俺、自惚れすぎだったのか。

康二くんなら絶対俺のとこに来る。

そう勘違いしてた。

相方になれるかなって思ってたのに。

0番にいて憧れてた康二くんの相方になんて

ずっと端っこにいた俺がなれるはずなかった。

考えれば分かった話。

俺ってつくづく馬鹿だ。

｢めめ顔暗い｣

｢お前いつからいたの｣

｢さっき挨拶しても返ってこないし康二くんと喧嘩？｣

｢そこには触れんな｣

｢へー喧嘩したんだ？ならお隣失礼しまーす｣

｢よくずかずか来れるな｣

｢めめのこと好きだもん｣

｢分かった分かったじゃ俺寝るから｣

｢え！せっかく僕が来たのに？信じらんない！…

隣でぎゃんぎゃん鳴くラウールに背を向けて

もう淡い期待はしない努力するのみ。

そう決めてそっと目を閉じた