花は拾えど恋は拾えず 《こじめめ》

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｢舘の話ってなんなんやろ…｣


緊張してるのか着くのが早すぎた
しばらく待つと扉が開いた。


｢康二くんおはよう｣


｢なん、でめめがおるん？｣


今1番隣にいちゃいけへん人で
募る思いが一気に込み上げてきた。

めめの顔をしっかり見たのはいつぶりやろか…


｢騙してごめんね舘さんとしょっぴーは来ないんだ

どうしても康二くんと話したくて2人に協力して
もらった卑怯な真似してごめん、｣


元の2人に戻りたい、

強く、真っ直ぐな純粋な目でそう言ってくれるめめは
俺に気があるんじゃないか。

だから、少し期待を込めて承諾した。


すぐに冷静になって酷かもしれへんけど、
俺は自分なんかよりめめを、メンバーを守りたい。


｢あんな、さっき戻る言うたんやけど、
物理的な距離だけは置いても、ええ？｣


酷く苦しそうな顔を浮かべるから
その表情に俺の心も締めつけられる。


｢ならよかったわ、俺ちょっとレッスンまで席外すな｣

｢うんわかった、有難う｣


言い終わらない内にリハ室を出た。


…拒絶したのはこっちなのになんで涙がでてくんねん

…苦しい、いっその事フラれてしまえば楽になれるか


俺の中の花はまた疼きだし
何階かも分からないトイレに駆け込んだ。

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