▽ ページ18
『めめさん、これはなに？』
「ん？釣り竿。」
『なんで？』
「無人島ならせっかくだし楽しみたいじゃん。まずは釣りかなって。」
『…はぁー。』
目の前のおバカさんに向けてわざとらしいため息をついてみたけど、全く効果なし。
島を散策しても人１人どころか動物すらいない。
まさにあの番組の舞台にはうってつけやろ？
でもな、ロケをするにしても何もかもが謎すぎるし足りなさすぎる。怖いぐらいに。
それやのにさっきの砂浜まで戻ってきためめは拾ってきた木の棒？を使って楽しそうに釣り竿を作ってやがる。
『…なぁめめ、俺ら結構ピンチやねんで？ふたりきりで他には誰もおらんねん。
しかもこのご時世、不可抗力やとしてもこんな身勝手なことしてるってメディアに知られたらイメージがどうなるか、』
「できた！！はい康二の分も！」
『…聞いとる？俺怒ってんねんけど？』
「なんで怒ってんのか俺には分かんない。ほら行こ、さっき釣りできそうな岩場あったから！」
『今そんなんできる気分じゃないって。』
俺の話を全く聞こうとせずに好き勝手するめめにだんだんイライラしてきた。
「気分じゃなくても、とりあえず楽しまないと！なるようにしかなんないじゃんー。」
『…なんなんほんま。勝手すぎるやろ…』
「康二？」
俺の顔を覗く顔にさえもイラついてしまって、ついに爆発した。
『もう！ええって！なんも話聞いてくれへんし考えてくれへんやん！！
呑気すぎんねん！もっと真剣になってや！』
「…康二、」
『うるさい！喋らんといて！めめなんか嫌い！！』
言葉にした後、あ、まずいと思った時にはもう遅くて。
しばらく続いた冷たい沈黙。
「…分かった。うるさいなら消えるわ。ごめんね。」
めめが立ち上がる気配がしたけど、俯いて背中を向けてしまった俺には止める言葉も謝る言葉も出なくて。
『……めめっ、！』
振り返ったときにはもうめめの姿はどこにも見えなかった。
…やってしまった。めめを怒らせてしまった。
さっきからパニックで怖くて焦ってたせいで、目の前の優しいめめにも八つ当たりみたいなこと…
めめは多分、俺を元気づけようとしてくれてただけ。そんなんは分かってたはずやのに。
この状況が怖くて焦ってるのは同じはずやのに。
俺だけ子どもみたいにめめに当たるようなこと…
『…はぁ、なさけな…。』
流れてきた涙も、いつも笑って拭ってくれるめめはここにはおらへん。
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ゆきんこ(プロフ) - あきさん» あきさん！コメントありがとうございます！！そう思ってもらえる作品が作れてほんまに嬉しいです( ; _ ; )！！1番嬉しい褒め言葉が聞けて喜んでます！！これからも期待に応えれるように頑張ります！！素敵なコメントありがとうございました！！ (2020年7月13日 0時) (
レス) id: 9366bbf9ec (このIDを非表示/違反報告)
あき(プロフ) - 今回も素敵な作品ありがとうございましあ(;o;)何度も読み返してしまうくらい作者様の作品がだいすきです！これからも楽しみにしております(^-^) (2020年7月12日 17時) (レス) id: 1c418bb080 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきんこ(プロフ) - ゆきちゃんさん» いつもありがとうございます(*^_^*)リンクできててましたかね…！私的に凄いパワーワードやなって思ったので書いちゃいました（；＿；）ほんとに幸あれですね（ ; ; ）平和に幸せになってほしい。（ ; ; ） (2020年6月25日 1時) (レス) id: 9366bbf9ec (このIDを非表示/違反報告)
ゆきちゃん(プロフ) - 実際のライブとリンクしながら読みました…泣きそうううう。こーじに幸あれと願いますほんと…！ (2020年6月22日 12時) (レス) id: 2e7657af2c (このIDを非表示/違反報告)
ゆきんこ(プロフ) - ゆきちゃんさん» いつもありがとうございます(*´∀｀)こっそり始めてました（笑）更新頑張ります！ありがとうございます！ (2020年5月30日 16時) (レス) id: a4db884c5e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雪 .
| 作成日時：2020年5月15日 23時
