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康二くんの耳が聞こえなくなる。

最初は冗談だと思った。

でも、

エイプリルフールはもう過ぎた。

嘘をつく理由もない。

これは本当なんだ。

信じられないけど信じるしかない。


屋上で気持ちを伝えた。

自分の声が聞こえなくなる前に。

康二くんは

突然、聴力を失った。


本当に突然で。

康二くんは泣いていた。

俺も悲しかった。


耳が聞こえなくなった康二くんは

声を出さなくなるだろう。


喋らなくなるだろう。


最後に喋った言葉、俺の名前で本当に良かった?

めめとかじゃなくて、

本当に良かった?


「ラウ、」

(こうじくん、だいすき)

声が聞こえなくたっていい。

想いが伝わらなくてもいい。


神様は綺麗で儚い人ばかり奪っていく。


康二くんが聴力を失うなら、

代わってあげたかった。


みんなに話をした。


康二くんの聴力がもうほぼ無い状態に近いことも。




康二くん、俺達を置いて、どこにも行かないでね。

悲しくなったりしたらいつでも言ってね。


(こうじくん、しなないで)

康二くんは泣きながら、困った笑顔をする。


その悲しい顔が、、


1番嫌いだ、、



またあの優しい笑顔に


戻ることはもう無いのだろう。


(らう、なかないで)

そんな顔で、

そんな事言わないで、


胸がギュッと苦しくなる。

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作者名:みやちゃん☆ひかちゃん | 作成日時:2022年3月29日 4時

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