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「ねーね、君、1年?」

「え、えっと、あの、」

「君ちょーかわいい!」

「あ、え、っと、、」

「おいふっか、この子困ってんだろ。
授業始まるし行くぞ。

ごめんな、悪いヤツじゃないからさ

んじゃ、また縁があれば」

「は、は、い、」

だ、誰なんあんな怖い人、、

「康二くん、大丈夫?
てかなにあの先輩。感じ悪ー

さわんないでほしいわ」

「ラウ、?」

「ラウだよー、康二くん、
屋上行こっか」

「う、ん」


ラウが屋上に行きたがるときは
俺に話があるとき。
重要な話で、俺にしか話せないこと。


「んで、ラウは、話し、たいこと、あんねやろ、?」

「あーうん。

康二くん、医者さんから聞いたよ。

倒れた反動で、耳、聞こえなくなっちゃうんでしょ」

「.....うん。」

「康二くん、俺の声が聞こえなくなる前に言わせて。

康二くんはさ、中学の時俺いたの知ってる?

成績1番で...ってあんま話したことないし
わかんないよね。

俺、あの頃からずっと好きだったよ。

康二くんを忘れるために彼女も作った。
けど、

忘れられなかった。

俺の運命の人は康二くんしか居ないんだって

また逢えたらいいなって思ってた。

めめには悪いけど、めめが会わしてくれた。

康二くん、俺のこと好きじゃなくてもいいから、

1回だけ言って、?

''大好き''って」

「ラウ、大好き!」

「...康二くん、ありがとう!」

ラウの柔軟剤の匂い。

「康二くん、このカメラあげる。
このカメラで沢山思い出を作って?」

もう会えへんみたいな言い方。

俺が耳が聞こえへんなるから

遠回しに言ったんだろう。


「ありがとう、大事にするな!」

「うん、!」


もうこの時点で、ぼんやりとしか聞こえなかった。

勿論補聴器も人工内耳もしない。

例え皆の声が聞こえへんくなっても
俺の記憶にはみんなの声がバッチリある!

読唇術極めへんとなぁ...


ぼーっとしていたら何も聞こえなくなった。

鳥の声も
風の音も

ラウの声も。

必死に俺の名前を呼ぶラウの声が、

「きこえへん、」

自然と涙が溢れた。

(こうじくん、だいすき)

そう言ってる感じがした。

涙は止まらない。

ラウが抱き締めてくれる。

「らう、うぅ、らう、」

(こうじくん、)

〜→←_.



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作者名:みやちゃん☆ひかちゃん | 作成日時:2022年3月29日 4時

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