毒舌彼女 (ページ25)

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頭の中、真っ白 × YOU ページ25

雨が上がって、
太陽も出て……暖かいはずなのに

身体が震えて…震えて……

｢スンリさん…｣

スンリさんを見ると、彼も微かに震えてる。

｢…………送ってく｣

スンリさんはそう一言いうと、
車のほうに向かって歩いた。

｢…あの、｣

｢Aちゃん置いてくわけにもいかないからさ…｣

｢…………はい｣

どうしよう。
あからさまに避けられてる。

ほんとはスンリさんのこと苦手とか
思ってないのに。

いや、むしろ……。

誘ってもらった時、嬉しかったし
傘がなくて送ってもらうことになったのも
さっき、私を心配して探してくれたのも
嬉しかった。

でも、それを上手く伝えきれなかったのは
きっと……

私がホントは臆病だから。

｢スンリさん…！｣

でも、私は変わりたい。

｢スンリさん、私……スンリさんの事苦手とか思ったことありませんから。誘われても嫌だと思わなかったし、エレベーターで頭を撫でてくれたのも……う…嬉しかったです｣

あぁ…自分がこんな事言うなんて。

しかも、今まで素っ気なくしてたスンリさんに。

でも私が言いたい事は全部言った。

誤解して欲しくない。
ただそれだけを、伝えたかった。

自己満足かもしれない。

だけど、何か清々しいや。

スンリさんは……目を丸くして
私を見つめてるけど…

なにも言ってくれない。

｢A…ちゃん。｣

だけど、やっと言葉が出た時には

スンリさんの表情は、満面の笑み。

うん。私が見たかったのはこれだ。

よかった。

｢無理なんてしてないですよ。スンリさんの隣は、何故か安心するので｣

｢えっ……｣

｢なんですか？…………さ、帰りましょう。送ってくれるんですよね？｣

照れ臭くて、

また目をパチクリさせるスンリさんを置いて
後部座席に乗った。