14 ページ14
厳しい練習は夕方まで続き、練習後タオルを首にかけ
食堂で倒れるメンバー。
円「たぁぁぁあ……終わった…」
緑「まさか練習がこんなにハードだなんてさ…」
壁「俺もうクタクタっス…」
土「おいおいお前ら、合宿は始まったばっかだぞ」
緑「そりゃそうだけど…」
基「円堂君はどう思った？あの監督のこと」
円「どうって、そりゃ確かにちょっと変わってると思うけど…
いい監督じゃないか！思ったことをはっきり言ってくれるんだし。
きっと俺達にはまだまだ足りないところがあるんだよ。世界を目指すためにはさ!!
なっA!!」
「んんん〜〜〜私もまだまだだからそんな上から言えないよ…」
栗「Aさんでダメなら俺達どうなるでやんすか!!」
栗松とその横にいた木暮は分かりやすく肩を落とす。
それを見た他のメンバーは笑い、終始賑やかなままその日を終えた。
皆が寝静まった頃、Aは一人食堂にいた。
豪「…まだ寝てないのか」
「豪炎寺君も寝てないくせに言われたくないな」
僅かな明かりに引き寄せられるかのように来た彼に、
温かなお茶をマグカップに入れ、机の上に置く。
豪「何を読んでるんだ？」
「イタリアにいた頃のサッカーノート。
新しい自主練の参考になるものないかなぁって」
彼女は気軽にペラペラとめくるが、その中身はびっしりと
書かれており、練習内容や反省点だけではなく、
チームメイトのことまで書いてあった。
豪「……本当にサッカーのために行ったのか？」
「勿論全てがそのためじゃないけど、ほとんどはサッカーのためだよ。
お父さんとお母さんが私に残してくれたサッカーを、
もっと大切にしたくて、もっと上手くなりたくて、
世界にはどんな選手がいるのか知りたいと思った」
父と母が残してくれたお金を使ってね、というと
彼女のイタリアでの努力にも納得がいくような気がした。
一秒たりとも無駄には出来なかった。
限られた時間の中で、世界のトッププレイヤー達が集まる場で、
少しでも多くのものを吸収して帰りたかった。
「新鮮で楽しかったよ。きっと世界に行けば皆に会えると思う。
そのときは豪炎寺君にも紹介するからね！」
思い出を振り返るように、イタリアでの出来事を楽しそうに話す彼女に、
自然と笑顔になりながらあっという間に時間は過ぎ、その日はお開きとなった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 104人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
遊星(プロフ) - ののさん» お時間が有る時お待ちしています。 (12月27日 9時) (
レス) id: 3fd81d95aa (このIDを非表示/違反報告)
のの - 遊星さん» お話かいていらっしゃるんですね！また遊びに行かせていただきます！ (12月26日 6時) (レス) id: 6a82eda533 (このIDを非表示/違反報告)
遊星(プロフ) - ののさん» 分かりました。これからも更新、頑張ってください。そして、こちらこそ宜しくお願いします。良ければ私が書いた作品読んでみてください。 (12月21日 8時) (レス) id: 3fd81d95aa (このIDを非表示/違反報告)
のの - 遊星さん» 遅くなってしまってすいません。更新停止期間にコメントをくださって本当にありがとうございます。これからまた頑張っていくので読んでもらえると嬉しいです。 (12月21日 5時) (レス) @page21 id: 6a82eda533 (このIDを非表示/違反報告)
遊星(プロフ) - この話、初めて読みましたが面白いですし、この話大好きです。ですが更新停止になってますが大丈夫ですか？ (12月18日 11時) (レス) id: 3fd81d95aa (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：のの | 作成日時：2022年11月13日 8時
