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どれだけ時間が経ったのだろう。
いつの間にか辺りは暗くなり、街灯が灯っていた。
「ごめん、ジャージ汚しちゃった」
豪「洗濯すれば済む話だ。問題ない」
「ん、ありがとう」
軽く頭の上に乗せられた手に恥ずかしさを覚える。
誤魔化そうと携帯に目をやると鬼瓦から“もうすぐ帰る”という連絡があり、
明日、豪炎寺には久しぶりの学校あり、Aは引っ越しがある。
帰り道肩が触れそうで触れない距離の二人を街灯が照らす。
好きだと言ってしまえば楽なのかもしれないが、なかなかそうもいかず。
そのまま二人は互いの帰路に就いた。
〜・〜・〜・〜
それから数日後、無事雷門へ転校をしたA。
豪炎寺とはクラスが離れたものの風丸と鬼道が同じクラスにいたということと、
彼女自身の人見知りもましになっていたことから、馴染むには時間はかからなかった。
それどころか、美女ということと成績も優秀というところで瞬く間に
裏で高嶺の花と呼ばれてしまうようになった。
無論、男子にはモテていたが。
こういうのは大抵同性から嫌われるのが多いが、
彼女は自分の席の周りに話に来てくれる友人を大切にしていた。
サッカー部が教室に来たからと言って話に行くわけではなく、
目があえば手を振る程度。
勿論サッカー部が話しかければ応じてくれる。
校内では男女分け隔てなく接する普通の女の子。
部活になれば誰よりも努力し、自分に厳しかった。
その数日後、誰にも何も言わず彼女は学校に来なくなった。
サッカー部も誰も聞いておらず、響なら何か知っているだろうと思い
聞いてみたが、そのうち戻ってくるの一点張り。
鬼瓦に聞けば、何も聞いていないのかと言われ
そこから先は何も教えてもらえなかった。
同時期に留学へ旅立った夏美と忽然と姿を消したA。
謎に包まれていたがいつか戻ってくる、という言葉を信じて待っていた。
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作者名：のの | 作成日時：2022年9月30日 16時
