君と私と仲間達【イナズマイレブン】Part2 (ページ14)

今日:6 hit、昨日:6 hit、合計:16,881 hit

60 ページ14

そこからはAにとって、雷門にとって見ていられない状況だった。

サッカーを心から愛する彼に怒りに任せたプレーが目立つ。

グランからボールを奪おうとするも軽くあしらわれるだけの攻防戦。

やがて息が切れ始めた円堂を横目に何一つ乱れていないグランが声をかける。

グ「円堂君＿＿＿＿＿＿＿＿＿キーパーに戻りなよ」

まるで立向居だと相手にもならない、というかのように放たれた一言は
立向居自身も酷く動揺させた。

グ「君がキーパーじゃないと、倒し甲斐がないよ」

円「黙れッ!!」

この発言に怒りを覚えたのは雷門イレブンだけでなく。

怒りを表に出すことが許されない者の怒りも買った。

ただAが怒りを露わにすると全てが振り出しに戻ってしまう。

この試合にさえ勝てば皆解放される。
元のサッカーに戻れる。

だから今は我慢するしかなかった。

そう考えているうちにウルビダもグランの元にいて再びシュートを打つんだと察すると
Aも急いで駆け上がった。

「「「スーパーノヴァ!!」」」

立向居はあまりにも強すぎるシュートを目の前にどうすればいいのか戸惑い、
その様子を見たDF陣は少しでも壁になれれば、と思い前に立つ。

だがそれもあっけなく飛ばされ、立向居のムゲン･ザ･ハンドも言うまでもなく。
間一髪、豪炎寺と吹雪によって止められる。

豪炎寺と吹雪が共に弾いた瞬間、一瞬赤と水色＿＿＿＿＿＿炎と氷を纏ったボールに見えた。

「(2人の連携シュートが生まれるかもしれない)」

そうなる前に試合を片付けてしまわないと。

勢いがつく前に試合を決めなければいけない。

グ「全員でカバーしなければならないキーパーは、君達の弱点であり敗因となる」

仲間を否定されてしまい、怒りで精神が不安定な円堂、
追い打ちをかけるかのように言葉を発するグラン、

二人は対照的だった。

そんな円堂の前に77番の背中が映った。

「いい加減にしろ。相手チームの誹謗中傷をするならお前のことを話せなくなる程に潰す」

円「A……？」

円堂に名前を呼ばれると同時にグラウンドに鳴り響いたホイッスル。
前半が終了した合図だった。