願い事 3［学園アリス］ (ページ39)

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29話ページ39

ﾊﾞﾁｯ!と私達に向けられたアリスが弾かれ、翼がﾊﾞｯと私を見た。

翼｢お前、、！｣

何が起こったのか分かっていない顔をした蜜柑と流架も、私を見たのが分かる。

貴『だ、いじょうぶ、、
空間の遮断なら、少しはっ、』

押し寄せる目眩と頭痛にｷﾞｭｯと棗にしがみつくと、
私の太腿を掴む棗の力が強まった気がした。

翼｢くそ、、悪ぃ、A。
なるべく最小限の範囲にしか使うなよ。

おい、なるべく固まって、、走れっ！｣

翼の声を合図に、一斉に走り出す。

翼はﾁﾗﾘと横目で私と棗を見ると、
棗に背負われていた私を走りながら両腕で引き剥がし、左の脇に抱えた。

棗｢おい、影っ！｣

翼｢あぁっ？！
こんな状況で文句言うな、今はこれが1番だろっ！｣

流石に足の速い翼の腕の中で皆の事を視界に入れながら、私が走れれば、、とこんな時に使えない自分の身体に心底嫌気がさす。

流｢わっ｣

蜜｢あ、ペンギー！｣

ﾄﾞﾝｯと後ろで流架と蜜柑がぶつかったと思ったら、
その衝撃で蜜柑の腕からペンギーが弾き飛ばされていて。

流｢あ、、｣

棗｢ルカ！｣

前のめりになりながらペンギーの元へ駆け寄る流架は、私のアリスの範囲から一瞬で出てしまっていた。

貴『流架、、ダメっ！』

ペンギーを抱えた流架に強くアリスを使うと、
ﾊﾞﾁｯ!と弾かれたアリスの衝撃で、流架は倒れ込んでしまう。

蜜｢ルカぴょんっ！｣

私達から離れ流架に駆け寄る蜜柑に
アリスの範囲を広げようと力を強めれば、

ｸﾞﾗｯと大きく脳みそが揺れた様な感覚に、
思わず全ての力が抜けてしまった。

棗｢Aっ！

ルカ、逃げろっ！！｣

私のアリスが消えた事で、一直線に注がれる流架への視線に棗と翼が焦りの声をあげる。

翼｢あぶな、、っ！｣

次の瞬間、流架の上にかぶさるように抱き着いていた蜜柑の周りで、ﾊﾟﾝｯと石化のアリスが弾かれていた。

貴『っ！、、翼、蜜柑のとこに、、』

翼｢え、、！
そのままルカぴょん抱いてろ！｣

私が何をしたいのかすぐに分かったのか、
私を脇に抱えたまま、翼がﾊﾞｯと棗の腕を引っ張り走り出す。

翼｢A！｣

なだれ込んだ勢いで、目の前の蜜柑をｷﾞｭｯと抱き締め、アリスを使った。

ﾊﾞﾁｨｯｯｯﾝ!!

轟音が鳴り響き、辺り一面の木々が一瞬にして根元だけ残り跡形もなく消え失せる。

ｸﾞｯと込み上げる何かを我慢して
身体中の痛みを無視しながら目を開けば、
私に手を伸ばす棗と、、目が合った。