願い事 3［学園アリス］ (ページ3)

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17話ページ3

前期試験前はちょくちょく学校に行った。

クラスで取り巻き達に勉強を教えている棗を見ながら、
浮かない顔してる流架の隣でボーっとしている事が
今のところ多いけど。

今日も、面会ってワードに反応して
分かりやすく落ち込む流架。

貴『流～架～。

そんな顔しないの。
流架が気にしてたら、棗も気にしちゃうでしょ。』

ちょっとﾑｽｯてしてる頬を指で刺せば、
｢はぁ。｣なんてため息を吐かれて私もﾑｽｯとする。

流｢A、、。

Aも面会とか、できないんだよね？｣

ちょっと伺うような流架の表情に、私は不思議に思う。

あれ？言ってなかったっけ？

そう言えば棗と流架に、てか誰かに言った記憶無いかも。
と思いながら『あ～、』とちょっと濁してﾍﾗﾘと笑って見せた。

貴『いや、全っ然隠してたわけじゃないんだけど、
私家族いないの。』

その言葉に、もうこの世の終わりかってくらい顔を真っ青にさせた流架。

うわぁ、やっぱ言わなきゃよかったかな？

貴『いや、そんな想像通りの反応しないでよ、
流架、、。

ま、いないって言っても、別に存在自体
知らないわけじゃないし
普通に何とも思ってないから大丈夫。』

私がそう言えば、
流架は｢ごめん。｣と短く謝ってくる。

もー、、
こーゆー雰囲気苦手なんだよね、どうしよう。

貴『ほら、早く流架は蜜柑の勉強見てあげなよ。』

ﾄﾞﾝｯと流架の背中を押すと、
｢わ、、！｣と少しびっくりした後
｢、、棗に似てきたね。｣なんてﾎﾞｿｯと呟いて
蜜柑の方へ行ってしまった。

ちょっと待って、どーゆー意味。

棗に似てきたって、その捨て台詞、、

絶対私今、流架に呆れられた気がする。

そんな事を思ってると、
視線を感じてﾊﾟｯと思わず外を見る。

貴『、、。』

私を見てるのか、棗を見てるのか、

それとも、、蜜柑を見てるのか。

学校に来てみて、感じ続けているこの視線。

｢A。｣と棗が呼ぶから、
何ともない顔して棗の隣に行くけど。

、、念の為、私は蜜柑と関わるのは
やめておいた方が良さそうだな、と思う。

それにしても、
嫌な予感がしてちょっと顔が曇ってしまう。

それを周りが勘違いしたのか、
｢Aさんすいません、うるさかったですか？｣
なんて言ってくるから、

慌てて『違う違う、試験だるいな～って
思ってただけだよ。』と言っておく。

、、私の勘違いなら、いいんだけど。

棗の雰囲気が柔らかいのと反対に、私は不安を感じていた。