願い事 3［学園アリス］ (ページ19)

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9話ページ19

手術室に緊張した空気が張りつめる。

医｢A、そんなにピリピリするな。
お前の気に何人か当てられそうだ。｣

貴『先生、、。』

真っ青な顔をした蛍は依然変わらない。

銃弾の処理は私のアリスの方が向いているから、
私を中心に手術がおこなわれていた。

銃弾だけを上手く消失させ
昴君や先生達が治療するものの
恐ろしい速度で増殖するウイルス。

｢ダメです、、ウイルス特定できません！｣
｢傷が塞がり次第、ウイルスの進行を抑える方に
切り替えましょう、病室の準備お願いします！｣

慌ただしく動く大人達

酷く大きく聞こえる鼓動

苦しそうな蛍の息

手術室の扉が開かれ、昴君に背中を押される。

先生の後に続いて手術室を出れば、
何故かそこには蜜柑をはじめ何人かのクラスメイトがいて。

昴｢、、A、治療を受けてこい。｣

蜜柑達の顔を見る事ができなくて、
ずっと下を向いていた私の頭に軽く触れた昴君が
皆を連れて私から遠ざかっていく。

医｢A、おいで。
フラフラでしょあんた。

アリス、、使い過ぎよ。｣

先生に肩を抱かれ、
私は下を向いたままその場を離れた。

蜜柑達が去っても、
1つだけ立ち止まったままの足には気付いていたけど

棗｢Aっ！！｣

最後まで顔を見る事はできずに、
先生に肩を抱かれたまま、私の意識は途切れた。

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あの時、、蛍はウチを庇って撃たれた

ウチのために、、、

目の前で意識の無い蛍を前に、後悔の念が押し寄せる。

ﾋﾟｸｯ

蜜｢っ！蛍、、っ｣

弱々しく動いた手に、
蛍の意識が戻ったのかと声をかければ

蛍｢、、とうさ、、、お、かあさ、、、｣

か細く聞こえてくる、両親を呼ぶ蛍の声。

昴｢、、もう時間だ。

行きなさい。
さっきも言った通り、ウイルスの特効薬でも
見つからない限りこの状況は変わらない。

ここに君達がいることで、どうなるわけでもない。

君も、事件や尋問続きで疲れきっている。
行きなさい。｣

蛍を治療し続けるお兄さんにそう言われ、
ウチは何も言えなかった。

どうなるわけでもない、、

ウチには、何も、、

殿｢あーーいたいたチビちゃん！｣

野｢あ、佐倉さーん！｣

ウチを呼ぶ声が聞こえて顔を上げれば、
何故かAを抱きかかえた殿先輩と、
地図帳を開く野田先生がいて。

蜜｢殿先輩、のだっち、、何でっ、、｣

殿先輩が抱きかかえるAは意識が無いように見えて、蛍と重なりｿﾞｯとしてしまう。