15話 ページ1
本部から校舎までボーっとしたり
お昼寝したりしてゆっくり歩いていたら、
とっくに時間は過ぎてしまって。
ちょっとのんびりしすぎたかな〜
と、寝起きで固まった体をほぐす。
正直、流架と蜜柑がいるから
行きたい気持ちはあるんだけど。
まだ、棗にどんな顔していいか分からなくて、、
やっぱこのままサボろっかな？と思っていれば、
ｽﾀｽﾀと歩く蛍ちゃんの姿が。
貴『あ、蛍ちゃんだ。』
私の声に気付いた蛍ちゃんが
すぐに体の向きを変えてこっちにやって来る。
名前呼んじゃって何だけど
蛍ちゃんと完全に2人っきりで話した事って、
未だに無いかも、、。
蛍｢蛍って呼んで。｣
目の前に立つ蛍ちゃんが
いきなりあまりの迫力でそう言うから。
貴『え、、
ほ、蛍、、？』
戸惑いながらも名前を呼べば、
少し笑ってくれるからホッとする。
蛍｢あのバカが私より早く呼び捨てにされてるから、
ずっと機会を伺ってたの。
私もAって呼んで良いかしら。｣
な、なんかこんな美人の子に口説かれてるみたいでちょっとドキドキしてきちゃった、、。
私もちょっと笑い返して、『勿論。』と言った。
貴『ねえ蛍、1人でどうしたの？』
いつも蜜柑が引っ付いている気がするから
気になってそう聞けば、｢バカは置いてきたの。｣
なんて相変わらず辛辣なお言葉、、。
蛍｢あの子、面会権利が響いたみたいで。
でも、試験勉強って同じレベルの人間とでないと
あまりメリットないと思うのよね。
バカって伝染りそうだし。｣
なんて言ってる蛍だけど、
優しいからそのうち蜜柑の勉強見てあげるんだろうな、、
と思って笑ってしまった。
それにしても、面会権利か。
おじいちゃんに会いたいんだね、、蜜柑。
蛍｢Aは授業出てないのに、頭良いわよね。
いつ勉強してるの？｣
授業出てないってワードがさり気なく刺さるけど、
事実だから仕方ない。
やっぱりサボらないですぐ行けばよかったかな、
なんてちょっと後悔した。
貴『私、ショートスリーパーなんだよね。
それに加えて入院ばっかだから、暇な時間多くて。
だから割と勉強に割く時間あるんだ〜。』
なんて言えば、成程。という顔をされた。
蛍｢、、それにしても、本当に久しぶりね。
もう体調は大丈夫なの？｣
確かにここ最近、本当に行けてないな、
と思って苦笑いしてしまう。
貴『うん、今は平気だよ。
それに体調も、あんまり気にしないで？
言う程重症じゃ無いから。』
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作者名：紅97 | 作成日時：2021年1月30日 5時
