願い事 1 [学園アリス] (ページ44)

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42話ページ44

野｢本当に、送っていかなくて大丈夫ですか？｣

すっかり夜が更けてしまったから、
のだっちはそう私に言ってくれる。

貴『大丈夫です！
アリスで帰るから、外は歩きません。』

｢そうですか、、、。｣とのだっちは言いながら、
見送りのためか立ち上がってくれた。

野｢Aさん。
何度も言いますが、僕は貴方の味方です。

貴方が望まない限り、この話は誰にも言わないと約束します。

それから、ちょっと寂しいので、、
口調、元に戻してくれると嬉しいです。｣

真剣に私にそう言ってくれる先生を見て、
この人に話して良かった、と思う。

貴『のだっち、本当にありがとう。

校長に動きがあったら、伝えに来るね。』

ちょっと照れくさくて、すぐに空間交換した。
、、なんか言い逃げみたいになったけどいっか？

ﾎﾞﾌｯとベットに倒れ込んで、
安心したのか思わず長いため息を吐いた。

柄にもなく号泣してしまって、思い返すと今更恥ずかしくなる。

あぁ、、ごめんなさい。
最悪、私は零も道連れにしようとしていた。

でも、これで、、。

零が、光の中で生きることを望んでくれたらいいな、と思う。

目が覚めたら、まだ太陽は昇っていなかった。

お風呂も入らずに寝ちゃったんだ、、
と思い、慌てて入浴の準備をする。

机の片隅に置いてある小さな紙の束が視界に入って、
あ、と思い出した。

午前中しかいられないけど、学校行く

とすばやく文字を書いて、棗の部屋に紙を送る。

、、少しでも行ける時間があるなら、
これからは棗と流架のそばにいよう。

それくらい望んでも、いいよね。

お風呂から出たら、
いつの間にかもう太陽は完全に昇っていて。

眩しいなあと思いながら、
そんな空を眺めているのが心地よくてﾎﾞｰｯとしてしまう。

棗｢おい。｣

貴『っ！！』

どれくらい呆けていたのか、
気付けば部屋に棗がいて、声をかけられていた。

慌てて時計を見れば、
朝ご飯なんてもちろん食べる時間もなくて、
それどころか遅刻決定。

うわぁ、、、怒られる？と思い棗の方を見ると、
久しぶりに見るその顔はなんだか凄く大人びていた。

貴『棗、、、ごめん、ぼうっとしてた、、、。』

私がそう言うと、ﾌｯと笑ってこちらに来る。

棗｢いい。
出てこないから体調悪いのかと思ったけど、元気そうだな。｣

なんだか棗の笑顔に意識がﾌﾜﾘとするけれど、
流架を待たせていることに気付いて、

棗に手を引かれながら部屋を出た。