願い事 1 [学園アリス] (ページ35)

今日:12 hit、昨日:9 hit、合計:76,017 hit

33話ページ35

真夜中、音を立てないように自分の部屋に入る。

幹部生の部屋は他の部屋と離れているし、
棗の部屋にも音が聞こえることは無いと思うけど、、一応。
時間が時間だしね。

ふぅっと息を吐いて、ベットに座った。

罰則面を着けたままでの一日中の任務は、流石に疲れた。

最近は学校に行くのが中心だったし、
任務も棗の同行ばっかりだったから体がなまってたな～、
なんて思いながらストレッチをする。

そういえば、今日は説明だけされて
零はその後どこかに行ってしまった。

大体他の人の任務が入ってない時は
私が終わるのを待っててくれてるんだけど。

誰かと任務が被ると、こうやって放置されるのは前からだったから特に気にしたことは無い。

でも、今日は何故だかそれが気になった。

一体誰と任務が被ってたんだろう？

それに、元々私は棗の任務に同行するはずだった。
それが私だけに別の任務を言い渡されたとすると、、

もしかして棗を1人で任務に行かせてしまったのではないか、
と思い、直ぐに立ち上がる。

走って棗の部屋に向かえば、中に人の気配を感じる。

良かった、部屋には居るみたいだ。
とりあえず病院送りとかでは無さそう、、

ｺﾝｺﾝｯ

寝てたら悪いな、と思い、小さくノックをする。
1回で出る気はしないから、
あまり間を置かずにまた小さく2回目のノック。

ｺﾝｺﾝｯ

これで出ないなら寝てるんだろうし、
明日の朝顔を見ればいいかな、と思っていると

ｶﾞﾁｬｯ
と目の前のドアが開いた。

貴『え、流架？』

そこに居たのは、真っ赤な目を
これでもかと大きく開いている流架で。

泣いてたってことだよね、、
何かあったのかな、もしかしてまた噂のことで？

と考えていれば、流架が小さく声を出した。

流｢Aっ？！｣

あ、そっか、
私罰則面着けてる姿で流架に会うの初めてかも？

ごめん、真夜中にこんな真っ白の仮面着けた人来たら怖いよね、、、
と思いながら、開いたドアの隙間から流架に話しかける。

貴『うん、、こんな時間にごめんね。
私、棗を見に来たんだけど、、

流架、どしたの？大丈夫？』

流架はしばらく下を向いたまま、
何かを考える素振りをして

ｸﾞｯと私の腕を掴むと、棗の部屋に招き入れた。

え、勝手に入っていいの？と思っていれば、
すぐに座り込む棗の姿が目に入る。

貴『棗、、っ！！』

良かった、罰則面は着けてないみたいだけど
沢山怪我してる、、。

やっぱり、1人で任務に行かされたんだ、、。