23話 ページ25
顎で指された私も、
私を視界に入れた乃木流架君も、
状況が理解できなくて固まってしまう。
や、いやいやいやいや。
やめてよこーゆー沈黙苦手なんだって。
貴『えーっと、、乃木流架君だよね、おはよう？』
流｢え、、、？あぁ、、おはよう。｣
はぁー。挨拶ちゃんと返してくれる、いい子だ。
今日初めて言われたおはようにじんわりと感動していれば、
棗が私の腕をｸﾞｲｯと引っ張った。
棗｢ルカ、今日からこいつも一緒に行くぞ。｣
、、、、ええええぇぇぇぇーーーーー？！
ﾎﾟｶﾝと口を開けて棗を見るけれど、
棗は私の腕を引いたまま前を見て歩き出すだけで。
助けを求めようと乃木流架君の方を見れば、
彼もﾎﾟｶﾝと口を開けてこちらを見ていた。
、、、あ、やっぱり？
私達同類だね！きっと仲良くなれるよ！
なんて脳内で話しかけても伝わってるはずもないから、
転ばないように私も前を向いた。
流｢ちょ、棗！｣
私達がどんどん前に進むのを見て焦った乃木流架君が、
小走りで近づいてくる。
私、もしかして逃げるって思われてるのかな？
相変わらず私の腕は掴まれたままだけど、3人でようやく並びながら登校する。
流｢棗、Aと仲良くなったの？｣
私と棗の顔を交互に見ながら、
顔を覗き込んでくる乃木流架君。
棗｢こいつ、すぐどっか行くから。
流架も見張っとけよ。｣
なんて言われて、
あーやっぱり逃げるって思われてるんだ、と納得する。
てかそれが質問に対しての答えなのか。
私もしかして友達じゃなくてペット扱いされてる？
あれ、、、乃木流架君に、絶妙に微妙な表情で見られてる。
いや、きっと私も同じ気持ちだからね？
貴『ちょ、棗、、、
私別に逃げないから見張らないでよ。
腕も離して？』
苦笑いでそう言うと、
棗はﾁﾗﾘとこちらを見たあと腕を離してくれる。
あー良かった、と胸をなで下ろしていれば、
視線を感じて、わざと見ないように前を向いた。
これ絶対乃木流架君に警戒されている、、、！
なんかこんな気まずい雰囲気最近多くない？
棗ええぇぇ、、、お前がどうにかしろ、、！！
と思いながら、
何も言う気がない棗を真ん中にして教室まで並んで歩いた。
なんか、近いはずなのに、凄い校舎が遠かった、、、、
教室に入れば、
私達が最後だったのか、全員の目がこちらを向く。
ス｢Aちゃんっ！！！
本当に来たのねっ！！！！
それに棗君と流架君も一緒なのねっ！！｣
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作者名：紅97 | 作成日時：2021年1月20日 17時
