願い事 1 [学園アリス] (ページ18)

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16話ページ18

先生に貰った薬を飲みながら、また零の所へ戻る。

病院の先生達は皆優しいけど、
やっぱりこのアリスのかたちのぶんとても心配される。

でも心配されたところで任務の数が減るわけじゃないし、
私達にはどうしようも無いから、
私の担当医の先生みたいに何も言わないでくれるのは、
本当に有難い。

しばらく廊下を歩いていると、
部屋の前で私の事を待つ零の姿が見えた。

貴『ごめん、遅かった？』

長居はしてないんだけどな、、と思いながら、
だいぶ待たせてしまったかと小走りで近づく。

零｢いや、私の仕事が早く終わっただけだ。

車の中で待っている。
Aは棗を連れてきてくれ。｣

人使い荒いな！
と言いたいところだけれど、
寮にまで顔を出すのは、と零なりの遠慮だろうなと思う。

それに車で寮まで送ってくれるみたいだし、
任務が早く終わることに越したことはないから
何も言わずに従った。

いつの間に授業終わる時間になってたんだろ。

こーゆー平和な時間ってほんと過ぎるの早いな～
と思いながら、私は早足で歩いていた。

1度自分の部屋によってパーカーを着てから、
日向棗君の部屋へと向かう。

ｺﾝｺﾝｯ

と控えめにドアを叩くけど、返事が返ってこない。

え、、？
私昨日別れ際、部屋にいてねって言ったよね。

ｺﾝｺﾝｯ

もう一度、今度は強めに叩くと、

ｶﾞﾁｬﾘｯ

とそのドアが開いた。

居るのかよ！1回で出てよ！！
なんて思っていると、いつの間にか彼は部屋の外に出ていた。

棗｢おい、、、あいつはいないのかよ。｣

あいつ？零の事かな？
随分警戒してるようだったのは、
零がいると思ってたからか、と納得する。

や、だからといって1回で出なかったのは言い訳にならないけど！許さないけど！

まあそんなこと言っていても仕方ないし、
早く任務を終わらせたかったから気持ちを切り替える。

貴『ペルソナなら外の車で待ってるよ～。
呼んできてって頼まれたの。

さ、じゃあ行こっか。』

この後罰則面を渡さなきゃだし、気分は乗らないけど
あんまり心配させたくも無いから、
なるべく明るく言って歩き出した。

やっぱり、私の1歩後ろをちゃんと着いて来てくれる。

、、昨日から思ってたけど、1歩後ろってすんごい近くない？

寮を出て車が視界に入ると、
零が車の前で待っているのが見えた。

珍しいな～、いつも車乗りっぱなのに、と思いながら、車の前に着く。

私が止まると、日向棗君も止まった。

ぶつからないの凄いな。