願い事 1 [学園アリス] (ページ15)

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13話ページ15

翌日

任務を終えて帰ってきたのはもうすでに朝だったから、
少し仮眠をとってから、
私を呼び出している零の元へ向かっていた。

ｺﾝｺﾝｯ

控えめにドアを叩くと、｢入れ｣、という声が聞こえる。

貴『やっほー零、どしたの？』

欠伸を我慢しながら、
閉じてくる瞼を必死に持ち上げ零の方を見れば、
何かを私に差し出していたので右手でそれを手に取った。

貴『ん、、何これ罰則面？もしかしてあの子の？

完全制御のやつじゃん、、随分、準備がいいね。』

昨日急に入学だったんだよね？
罰則面そんな都合良くあるもんかな、、
なんて思いながらよく見ると、
私の持っている仮面と同じ大きさのそれは、
明らかに黒猫を模様した仮面だった。

貴『え、、ずるい！なにこれなんで黒猫なの？

私のただの真っ白じゃん、、！
動物モノいいなぁずるい可愛い！！』

スイッチが入ったように駄々をこねる私の手から、
零は仮面を抜き取る。

零｢鳴海先生からこちらに連絡がきた。
Aをもっと授業に出席させて下さい、という事だ。｣

ﾌﾞｰと唇を振るわせるけど、零は慣れたようにスルーだし。

話を変えられてしまったので、仕方なく口を開いた。

貴『どーせ日向棗君の監視で、
暫くは授業受けに教室行けって言うつもりだったんでしょ？

分かってるよ～。

授業は面倒だけど、パートナーを誰もつくらず自由にさせてくれてるのはこっちとしても有難いし、
最近任務続きで体調も良くなかったから、、

ら～くちんな監視くらいやるよ。』

私がそう言うと、零はﾌｯと笑いながら

零｢昨日の時点で随分懐かれていたようだが、、

情は入れるなよ。｣

念を押されたようで、ちょっと意外だった。

昨日はそこそこ自分勝手に動いていた自覚はあるし、
しばらくずっと罰則面つけてろくらい言われるかと思ったのに。

顔に出ていたのだろうか、
私の心を読んだみたいに、零は話し出す。

零｢私はあまり賛成では無いが、
校長はお前と棗が共にいる事を望んでいるみたいだからな。

その指示に従ったまでだ。｣

へぇ～、校長が、、。

なんかそう言われると、
日向棗君と絶対仲良くなりたくないとか思っちゃった。

貴『ふーん、、、。』

ま、別にそこまで考える必要無いか？
どうせ危力系で幹部生だから
まとめて扱えたら楽だろくらいの魂胆だと思いたい。

貴『で、本当に今日の任務に日向棗君連れて行くの？』

零もこれ以上何も言わないと思ったから、
本題の任務の話をする。