短編-35 (ページ8)

今日:9 hit、昨日:0 hit、合計:7,629 hit

焼いたモチは美味しくないページ8

いのじぐに調子に乗ったいのちゃんがヤキモチを焼いて臍を曲げた大ちゃんからのツンツン意地悪でしばらく灸を据えられる話

……を途中まで書いていたんですが、色々とありまして途中までです。(供養)

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

俺の恋人のいのちゃんは、すぐ調子に乗る癖がある。

今だってそう。

ドラマでの共演をきっかけに仲良くなった後輩にべったりで何かにつけて「神宮寺くん♡」て、それはもう嬉しそうにしちゃってる。しかも、その頻度が日に日に増していってる。

別に、人付き合いは大事だし、メンバー以外の人と仲良くするのは悪い事じゃないって思ってても何だか目に余る、気がする…。

そう思っちゃうのは、たぶん、SNSでたまたま見てしまった『いのじぐ』？がずぅっと魚の骨みたいに引っかかってるから。

お互い仕事で会えない日が多くて寂しさが募っていたから。

リビングには恋人と後輩くんが楽しげにハグをしているシーンが流れている。

「正直、面白くないよ」口をとがらせて独りごちてみても、誰もいない空間に溶けていくだけ。

恋人の帰りを待つ部屋はいつまでも少し冷たいままで、画面の中だけが明るく賑やかだった。