私の大事なハニエル2【名探偵コナン】

Haniel100 ページ50

ハニエルside


人を殺した


そんなつもりじゃなかった


あれは…殺らなきゃ私が殺られてた



｢ハニエル…答えて｣


この男には誤魔化しても後にバレる

でもここでいう訳にはいかない









.









.


｢そんなつもりじゃなかったのよ｣


安室は酷く傷ついた顔をした



あの日は、キュラソーと初めて組んで


初めて人を殺して


初めて拳銃で人を撃った。



本来ならキュラソーが殺るはずだった


咄嗟に身を守ろうとして、出た行動が全て人を殺すための行動に繋がってしまった



｢…結局は、自分を守るためだったのよ｣





自分が可愛いから、守るの…

他人なんて気にしてられない



自分の事で精一杯…







ギュッ、とまた抱きしめられた



｢…ハニエル、違うんです。すみません









あなたを泣かせたかったわけじゃない｣





言われて目に手を当てると、涙が出ていた。




｢気になって弾倉を調べたら数が合わないのでまさか、と思ったんです。





でも、ハニエルがするわけないと…思っていたのですが…｣




…信じてくれたのに


私は自分のことに精一杯で


安室が信じてたのに



期待を裏切った


安室を裏切った





裏切ってしまった罪悪感




｢ふぇ…ふ…ふふふぁぁあああん｣


我慢していた涙腺が緩み涙が溢れ出す




｢ハニエル、あなたはまだ高校生…

常日頃から大人に囲まれて育ってしまい



早く大人になろうとしているのが見えます





そんなに急がなくていいんです






ハニエルはハニエルですから。




普通のあなたが好きなんです｣



寂しくて安室に抱きつく


そんな安室も私を抱き締める




｢少しづつでいいですから、話してくれませんか？｣



あの日のことがフラッシュバックされる




社長をキュラソーが殺してその後男を部屋に

服に手をかけられたからゲームに誘った。

シェリーに調べてもらった薬をワインに入れて眠らせ


毒薬を飲ませた。

急に呻き苦しいと叫び青白くなっていく遺体





その後SPに捕まって拳銃で殺した。

急に腕を掴まれて振り向いたら怒りで溢れたSP




初めて…自分の手で---


鮮明に思い出される





震えだし怯え呼吸が乱れていく




ﾊﾟｧﾝと撃った時の腕の反動、

鼻先を狙って噴水のように吹き出ている血



床は紅く染まっていく

あの日が、あの時間が頭の中で蘇る


｢ハニエル！｣


｢キュ…ら｣




ﾄｻ、と安室に寄りかかるように意識を失った

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