忘れじの記憶7 ページ7
蓮side
発作を起こしてから3日。
あれから症状は落ち着いて、検査もなんとか終えた。
思えばあの日はラウールの応援に行った日で、あぁ、ラウールに会いたいななんて思っていた。
それと同時に脳裏に甦るのは、自分の母親の顔。
最後に見たあの頃よりもだいぶ疲れ切った顔で、幾分老け込んでしまったようだった。
兄貴や康二に話すべきだろうか。
もしかしたら岩本先生が言ったかもしれない。
ぐるぐると渦巻く思考の中、考えることに疲れて、ラウールに会うに行くことを決めた。
ベッドからゆっくり立ち上がり、点滴スタンドに手を掛けた。
「また抜け出そうとしてんのー？」
目線を上げると、兄貴がやんわりと笑いながらドアの近くに立っていた。
蓮「え、兄貴なんで。」
辰哉「有給取ってみたぁ」
軽くピースしてきた兄貴。
結構気まぐれな兄貴だから、溜まった有給を仕事が比較的暇なときにでも使ってるんだろう。
辰哉「で、こっそり抜け出そうとしてんのー？」
蓮「え、っいや、ラウールのこと見に行こうと思って…」
辰哉「ラウール？あぁ〜、あのちっちゃい子か〜。かわいかったなぁ。」
なんてしみじみする兄貴。
辰哉「んー、でもさ、照から安静にしてって言われてるんでしょ？ラウール君の病室どこか分かんないけど、多分遠いし、せめて車椅子でいこーよ。」
兄貴の切実な思いやりが伝わってきた。
蓮「んー、分かった」
素直に車椅子に乗れば、兄貴が後ろから押してくれて、ラウールのとこに行くことにした。
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白林檎(プロフ) - ﾂﾅﾏﾖさん» こちらこそ、最後までお読みいただきありがとうございました！無事完走できました！ (2022年7月30日 9時) (
レス) id: c971cdea3b (このIDを非表示/違反報告)
ﾂﾅﾏﾖ(プロフ) - 完結おめでとうございます！素敵なお話を本当にありがとうございました！ (2022年7月30日 7時) (レス) id: 733eb035f8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白林檎 | 作成日時：2022年5月14日 17時
