衰弱5 ページ20
蓮side
発作が治まって、鼻カニューレをつけてもらって呼吸も楽になってきた。
「大丈夫、2人は戻ってくるよ。安静にな。」
さっき、岩本先生に言われた言葉が脳裏をよぎる。
うん、俺もそう思ってる。
体は疲れているはずなのに、気になりすぎて寝れそうも無い。
天井をぼんやり眺めていると、病室のドアが控えめに開かれる音がする。
その方を向くと、兄貴と、その後ろで俯きがちにこっちを見る康二。
辰哉「ごめんごめん、途中で抜けちゃって。もう平気？」
蓮「うん。」
兄貴はいつもの平常運転でいてくれる。
俺と康二への配慮なんだって知ってるよ、兄貴優しいから。
蓮「こうじ…」
俺が名前を呼ぶと、康二は兄貴の後ろから出てきて、ベッドサイドのパイプ椅子にちょこんと座った。
康二「蓮……ごめん。俺、逃げちゃってた……」
俺は震えながら腕を上げると、その手を康二の頭に乗っけた。
そのままわさわさと撫でる。
蓮「康二が甘えてくれないと、俺寂しいわ…」
嘯くように言う俺に康二はぱっと顔を上げる。
蓮「康二が、学校の話ししてくれたり、楽しそうに笑ってたりすると、俺嬉しいし、生きてるんだなぁって実感が湧く。康二ほっとけないし、俺はそう簡単に死なねぇよ。」
一つ咳払いをして、俺は康二をまっすぐ見つめた。
蓮「明日も来いよ？」
悪戯っぽく笑うと、また康二の頭をわしゃわしゃと撫でた。
康二「そうだよね、うん…、そうだよ。蓮は、そう簡単に死ぬ男じゃ無い！」
蓮「やっと分かったか。」
ふはは、と笑いをこぼすと、だんだんと瞼が落ちてくる。
辰哉「もうそろそろ寝たら？疲れたでしょ。」
蓮「ん、そうする。」
康二「俺、そばにいるからね。」
康二が俺の手をぎゅっと握る。
数十分後には、俺だけじゃなく、康二もぐっすり眠ってしまったと、後に兄貴から聞いて笑ってしまった。
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白林檎(プロフ) - ﾂﾅﾏﾖさん» こちらこそ、最後までお読みいただきありがとうございました！無事完走できました！ (2022年7月30日 9時) (
レス) id: c971cdea3b (このIDを非表示/違反報告)
ﾂﾅﾏﾖ(プロフ) - 完結おめでとうございます！素敵なお話を本当にありがとうございました！ (2022年7月30日 7時) (レス) id: 733eb035f8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白林檎 | 作成日時：2022年5月14日 17時
