衰弱2 ページ17
辰哉side
辰哉「蓮、来たよ〜。」
いつものように声をかけると、ベッドに寝たまま、蓮が笑う。
辰哉「今日は康二も一緒〜」
俺の後ろに引っ付くように歩く康二は、まだあどけない小さな子供みたい。
ベッドサイドには、翔太くんもいた。
翔太「お邪魔してま〜す。あ、けどそろそろ予備校行かなきゃだわ。」
辰哉「気使わなくていいよ、まだいてやったら？」
翔太「今ちょうど、蓮と約束したところなんで、俺はもう行きます。」
約束……とは…
蓮の胸をトンと軽く叩くと、お互い微笑みあって、翔太くんは行ってしまった。
康二「ご、ごめんな？最近、来れてなくて…」
言葉に詰まるような、いつも以上に挙動不審な康二に、蓮も不思議そうな顔をする。
辰哉「なんだよ〜久しぶりで人見知りか？……それとも、やっぱりなんかあるの？」
康二「なんもない！」
声を大きくして言う康二。
康二「あ、ごめん、声大きかった…」
蓮「なんか……あったろ？」
力無い声で蓮が康二に問う。
あの母親とのいざこざを終えた後から、蓮は本格的にベッドを出るのが難しくなった。
それに加えて、ここずっと高熱が続いている。
『ずっと気張ってたんだろうな…一気に体が悲鳴を上げ始めてる。』
この前、蓮の検査結果を聞きつつ、俺の怪我の様子も見てもらった時、照がそう言ってた。
ご飯も満足に食べれなくなってきて、最悪、胃瘻も考えられるなんて言われてもなぁ…
今日も、血管の浮き出た白く細い腕に点滴の針を刺しているんだ。
蓮「康二。」
康二「なんも…ない！」
いつにも増して頑固な康二。
蓮は華奢になった手で、康二の腕を掴んだ。
いつもはその手を握り返しそうな康二は、今日は握り返すこともなく、一瞥くれた後目を逸らした。
蓮「こう…」
その手が、康二の腕をするりと滑り落ちた。
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白林檎(プロフ) - ﾂﾅﾏﾖさん» こちらこそ、最後までお読みいただきありがとうございました！無事完走できました！ (2022年7月30日 9時) (
レス) id: c971cdea3b (このIDを非表示/違反報告)
ﾂﾅﾏﾖ(プロフ) - 完結おめでとうございます！素敵なお話を本当にありがとうございました！ (2022年7月30日 7時) (レス) id: 733eb035f8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白林檎 | 作成日時：2022年5月14日 17時
