忘れじの記憶2 ページ2
蓮side
ラウールの手術日は生憎俺は検査の日だった。
岩本先生に頼んで、どうにか検査時間をずらしてもらい、ラウールに会いにいくことにした。
もう殆ど外に出なくなったからか、体力は格段に落ちて、少し歩いただけで息が上がった。
何度も休憩しながら、ラウールの病室にたどり着いた。
開いていたドアから覗くと、ちょうどベッドに寝かせられたままラウールが出てきた。
看護師さんによって押されるベッドに不安げな表情のラウール。
宮舘先生もいた。
蓮「ラウール」
俺が名前を呼ぶと、ラウールはベッドの中からキョロキョロと見回した。
俺は、手術室に進んでいくそのベッド横に行き、一緒に歩き始めた。
ラウ「お兄ちゃん、きてくれたんだ。」
少しだけ、顔の表情が緩んだ気がする。
蓮「ゆびきりげんまんしたからな。」
優しく頭を撫でてやると、嬉しそうに笑った。
ベッドの進む速度はそんなに早くないはずなのに、息切れがしてくる。
病気の進行と体力の無さを改めて実感する。
それでも、表情を崩さず、必死に食らいついて手術室前まで行く。
蓮「待ってるから、頑張ってこいよ。」
ラウールは俺の言葉にこくりと頷き、親指をグッと立てた。
手術室の中に見送ってすぐ、体の力が抜けた。
ガクンと崩れ落ちそうになった俺を、俺の少し後ろにいた宮舘先生が支えてくれた。
蓮「すみません…」
宮舘「無理してはいけないよ。」
近くのソファまで肩を貸してもらって、深く腰掛けた。
宮舘「いつもありがとう。ラウールは、君のことをいつも話してくれるよ。」
宮舘先生は優しく微笑んだ。
宮舘「ゆっくり休んでから戻ってね。」
そう言うと、宮舘先生も手術室に向かって行った。
俺は暫く脱力してそこに座っていた。
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白林檎(プロフ) - ﾂﾅﾏﾖさん» こちらこそ、最後までお読みいただきありがとうございました！無事完走できました！ (2022年7月30日 9時) (
レス) id: c971cdea3b (このIDを非表示/違反報告)
ﾂﾅﾏﾖ(プロフ) - 完結おめでとうございます！素敵なお話を本当にありがとうございました！ (2022年7月30日 7時) (レス) id: 733eb035f8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白林檎 | 作成日時：2022年5月14日 17時
