Recipe9. 錦玉羹 ページ8
学校から家に帰ると
お店に翔太くんが居た。
「おお、目黒じゃん。」
「翔太、もう目黒と呼ぶのは止めたらどうです？」
「涼太が呼び方にこだわるのは珍しいな。じゃあ、俺も涼太みたいに蓮って呼ぼうかな？」
「蓮はダメだ。」
涼太くんが断言した。
これまた、珍しいパターン。
「そうなの？」
「俺が呼んでいますから、止めてくれませんかね？」
「お前が目黒呼びを止めたらどうかと提案してきたくせに…全く…分かったよ。じゃあ、めめな。」
「は、はあ。」
「そういえば、めめ、今日、商店街で見かけたぞ。」
「翔太くん、居たんすか？それなら、声を掛けてくれても良かったんすけど…。」
「お前、何かのポスター眺めてなかった？」
「そこまで見られていたんすか…。だったら尚更、声を掛けてほしかったっす。実は京都和菓子コンテストというポスターが貼ってあったので気になって…。」
「エントリーするのか？」
翔太くんが興味津々ですね。
それに比べて涼太くんは、考え込んでいるような…？
「興味はあるんですけど、自分の実力を考えるとまだまだかなって思ってます。でも、涼太くんなら、エントリーしたら、確実に1番、取れそうだなって。」
「確か、涼太は1回出たよな？」
「……ええ。」
少しだけ、表情が暗くなった。
涼太くんにとってコンテストとは…。
「結果はどうだったんすか？」
「…準優勝だ。」
「それ以来、出てないんですか。」
「……ええ。俺にとっては屈辱でしか無かったので。」
涼太くんが明らかに嫌だと言う顔をする。意外と分かりやすい。
「嫌な事を思い出させたみたいで…すみません。」
「別に気にしてないです。気を遣われた方がメンタルに来ますから。でも、蓮が出たいのなら、俺はそれを応援しますよ？」
「やっぱり、涼太くんは出ないんすね。」
「…出来る事なら、出たく無いね。そもそも、出る気が湧かないのだよ。」
いくら、和菓子が好きでも勝負の世界にはもう足を踏み出さない。
「一度決めたら、ブレねぇからなぁ、涼太は。意外と頑固なんだよ。」
思いがけず、翔太くんに指摘されるとムッとして拗ねたのか、レジの整理を始めた。
「翔太くんは知ってますか？」
小声で問いかける。
涼太くんには聴こえていないと信じたい。
「ん？何が。」
「涼太くんが大会に出たくないという詳しい理由ですよ。」
屈辱の内容が気になる。
涼太くんがそこまで言う理由が分からない。
「…そういうのは直接、本人に聞け。」
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赤雪(プロフ) - あきさん» パスワードを外して、公開いたしました。まだ、二話のみですが、宜しくお願いします！！ (2022年10月31日 21時) (
レス) id: e2d8ee24ac (このIDを非表示/違反報告)
あき(プロフ) - そうだったのですね。楽しみに待ってます (2022年10月29日 22時) (レス) id: 3ef54a4269 (このIDを非表示/違反報告)
赤雪(プロフ) - あきさん» コメントありがとうございます！本編作成中のため、現在、パスワードを設置している感じです。二、三話作りましたら、開放するつもりなので申し訳ございませんが、少々お待ちくださいませ。 (2022年10月29日 22時) (レス) id: e2d8ee24ac (このIDを非表示/違反報告)
あき(プロフ) - 移行おめでとうございます。移行先のパスワードが分かりません。教えて頂けると嬉しいです (2022年10月29日 22時) (レス) id: 3ef54a4269 (このIDを非表示/違反報告)
赤雪(プロフ) - りんさん» コメントありがとうございます！めめだて、良きですよ！更新がマイペースで申し訳ございませんが、完結まで頑張りますので宜しくお願いします！！ (2021年3月5日 15時) (レス) id: 486c201f1f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：赤雪
| 作成日時：2021年2月24日 0時
