◆ ページ6
「無事に解決ですか？」
「ええ。ご心配をおかけしました。」
涼太くんが二人に頭を下げる。
俺もその後ろから合わせて下げる。
我ながら、恥ずかしい所を晒した気がして、目を合わせられる程の余裕が無い。
「仲直り出来て良かったやん。」
「そ、そうっすね。」
向井さんが話しかけてきた。
元々、貴方に嫉妬していたから何となく気まずい。
「これはお詫びの品として受け取ってください。」
「お詫びの品なんてそんな…。」
「内輪揉めに二人を巻き込んだのは紛れもない。受け取ってもらわないとこっちの気が引けるのだよ。」
涼太くんが朝、早起きして作った水羊羹。色鮮やかでまさに芸術品。
朝、俺が起きた頃には出来上がっていた。
これを見た時、宝石みたいだと思った。
『ふわぁぁ…おはようございます。何ですかこれ？』
『おはよう。これはお詫びの品、水羊羹だ。材料が余ったから、ついでに蓮の分も作ってある。試しに召し上がりたまえ。』
『いただきます。』
『この味が理解できたら、優秀ですね。』
『…っ！美味しいです！』
なんてやり取りをした覚えがある。
俺は少し眠たかったが、涼太くんの表情はシャキッとしていて凛々しく見えた。
「綺麗ですね。」
「うわぁ、見ていてワクワクする！俺の家とも違うわぁ。」
そういえば、向井さんの実家も和菓子屋だった…。
「味も他とは違うで？古き良き和菓子の良さを残しつつ、新しさも取り入れた水羊羹どす。」
涼太くん、興奮して方言が。
でも、その気持ちは分かる。
「ふん、これくらいの技術、和菓子屋を継ぐ者としては当然どす。」
急にマウントを取った。
涼太くんってクールだけど、時々、見せる感情の波がよく分からないなぁ。
「ん〜味も美味しいです。」
「流石は宮舘さんや。」
でも、涼太くんが褒められて嬉しい。
俺の恋人であり、お兄ちゃんは偉大な人だ。
それから、数週間後。
向井さん改め、康二くん。
彼は涼太くんの技術と精神力を身につけ、その師匠に当たる涼太くんは岩本さんから
「これで終わりですね。」
「次からは違う世界だが…この京の都で競い合うライバル店として、お手柔らかに宜しくお願いするよ。」
お互いに良い気持ちで終わった。
俺も涼太くんから技を盗んで、もっと和菓子に対して考えるようになった。
「ん？」
商店街を歩いていると目についたのが「京都和菓子コンテスト」という張り紙だった。
「…これだ。」
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赤雪(プロフ) - あきさん» パスワードを外して、公開いたしました。まだ、二話のみですが、宜しくお願いします！！ (2022年10月31日 21時) (
レス) id: e2d8ee24ac (このIDを非表示/違反報告)
あき(プロフ) - そうだったのですね。楽しみに待ってます (2022年10月29日 22時) (レス) id: 3ef54a4269 (このIDを非表示/違反報告)
赤雪(プロフ) - あきさん» コメントありがとうございます！本編作成中のため、現在、パスワードを設置している感じです。二、三話作りましたら、開放するつもりなので申し訳ございませんが、少々お待ちくださいませ。 (2022年10月29日 22時) (レス) id: e2d8ee24ac (このIDを非表示/違反報告)
あき(プロフ) - 移行おめでとうございます。移行先のパスワードが分かりません。教えて頂けると嬉しいです (2022年10月29日 22時) (レス) id: 3ef54a4269 (このIDを非表示/違反報告)
赤雪(プロフ) - りんさん» コメントありがとうございます！めめだて、良きですよ！更新がマイペースで申し訳ございませんが、完結まで頑張りますので宜しくお願いします！！ (2021年3月5日 15時) (レス) id: 486c201f1f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：赤雪
| 作成日時：2021年2月24日 0時
