◇ ページ4
「んまっ！」
「美味しい物は裏切らない。堪能したまえ。そして、俺を存分に褒めなさい。」
蓮が幸せそうならそれでいいものだ。
しかし、このティラミスは完璧とは程遠い。及第点とは言ったが、満点では無い。
常により良い物を作る。
その追求心は捨ててはいけない。
最高を作り続けてこその職人だ。
「感動してます！これは俺からお礼です。」
「…っ！」
お礼にキスされるとは…！
蓮は中々のやり手なのか？
これが今の高校生にとって「普通」なのか？
「涼太くんの唇も美味しかったです。」
「なっ、あ、阿保や！」
美味しくなんか…。
少女漫画みたいな甘い台詞、よくそんな真面目な顔して言えるなぁ。
「涼太くん、照れた顔も可愛いです。」
「可愛くないです。」
「そんな即答しなくても…。」
外で抱きしめたのが失敗だったか？
蓮のトリガーを外してしまったようだ。
我ながら、選択肢を誤ってしまったな。
キスしたぐらいで調子に乗られても困るんですよ。
「うるさい。もう作らんからな。」
「その脅しは酷いっすよー。」
ニヤニヤしている蓮。
俺にキスした事を反省しているどころか、開き直りますって顔に出てますよ。
「俺、吹っ切れたんで、もう岩本さんとかに嫉妬しません。」
「そ、そう。」
これは予想外。
これからも、毎日、嫉妬してこんな風な展開になるのかと思っていた。
「あれ？嫉妬した方がいいんすか？」
「違うわ！ニヤニヤすんな。」
「もしかして、俺からのキス、嬉しかったんすか？」
「違うと言ってるだろっ！」
「ええー？そうは見えないっすよ？」
この餓鬼！
急に小悪魔要素、身につけてきた。
こんなに追求してくるような弟を貰ったつもりは無いんですけど。
「しつこいと嫌われるぞ？」
「涼太くんは俺の事、嫌いにならないっていう自信があります。」
「ふん、思い上がりにも程があるのだよ。」
「だって、涼太くんは俺に必死なんですよ？」
蓮はそう言って後ろから俺を抱きしめる。
またさり気なく、世に言うバックハグとやらを…。
「ど…どういう意味だね？」
距離が近いから余計な程に心臓が鳴っている。
「俺には蓮しか居らんってあんな情熱的な告白されて、思い上がらないなんてヤツ、この世に居ませんよ。」
「あ、あれは…思い出すな。すぐに忘れろ。」
「録音しておきたいレベルで嬉しかったですよ。あれ。」
火照ってしまうくらい、身体が熱い。
全ては蓮の所為だ。
「う、うるさい、揚げ足取るな。」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 415人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
赤雪(プロフ) - あきさん» パスワードを外して、公開いたしました。まだ、二話のみですが、宜しくお願いします！！ (2022年10月31日 21時) (
レス) id: e2d8ee24ac (このIDを非表示/違反報告)
あき(プロフ) - そうだったのですね。楽しみに待ってます (2022年10月29日 22時) (レス) id: 3ef54a4269 (このIDを非表示/違反報告)
赤雪(プロフ) - あきさん» コメントありがとうございます！本編作成中のため、現在、パスワードを設置している感じです。二、三話作りましたら、開放するつもりなので申し訳ございませんが、少々お待ちくださいませ。 (2022年10月29日 22時) (レス) id: e2d8ee24ac (このIDを非表示/違反報告)
あき(プロフ) - 移行おめでとうございます。移行先のパスワードが分かりません。教えて頂けると嬉しいです (2022年10月29日 22時) (レス) id: 3ef54a4269 (このIDを非表示/違反報告)
赤雪(プロフ) - りんさん» コメントありがとうございます！めめだて、良きですよ！更新がマイペースで申し訳ございませんが、完結まで頑張りますので宜しくお願いします！！ (2021年3月5日 15時) (レス) id: 486c201f1f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：赤雪
| 作成日時：2021年2月24日 0時
