"恋の仕業" (ページ6)

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ep.6 ページ6

YOUside

吉澤さんのアシスタントになりSixTONESさんの衣装を担当するようになって数十ヶ月…

ジャニーズを担当するという事の、掟なんて言ったら大袈裟だけれど、そんなような事を吉澤さんから最初に聞かされた。

「距離を縮めすぎないこと。恋愛はしないこと。秘密は必ず守ること。相手はジャニーズ、私たちはあくまでも裏方の人間、そうやって境目を付けて働くことね……なんて言ったところで好きになっちゃうもんは仕方ない！だっていい男ばっかりだもん」

1人で笑い出す吉澤さん。
実は周りには隠してるけど…そっちの人

「やっぱり恋愛関係になる人もいるんですか？」

「そりゃあもちろん、男女だからね」

ふ～ん。そうなんだ…

「あれジャニーズ興味ないっけ？」

「はい…あまり詳しくないです。でもSixTONESさんのことはちゃんと調べましたよ」

「流石ね、蘭あなた可愛いから気を付けなさいね？」

「気を付ける？」

「まぁとにかくある程度の距離は保ちなさい」

「承知しました」

＿＿＿＿＿

＿＿＿

＿

最初はあまり興味のなかった、彼らの世界。

接すれば接するだけ、

どれだけの人達に笑顔と希望と元気を

与えているのかを知って、

今はただただ尊敬している。

キラキラしている世界に見えて

陰では努力の日々。

「いつもありがとう」

こんな私にでさえも、優しく接してくれる彼ら

そして…

「蘭さん」

大我さんに呼ばれる度に

密かに胸が高鳴る

分かってる。好きになってはダメな事

手遅れなのも…分かってる。

「まじで、待ち受けにしてんじゃん」

「そうだよ？可愛いもん」

ふとそんな会話が聞こえる

「当麻紗綾まじで可愛いから！見てみ？SPEC」

大我さんが嬉しそうに話す姿に

ちょっぴり胸が痛くなる

彼らの世界には美しい女性もたくさんいて、
私とは住む世界が違いすぎる

「ねぇ蘭ちゃんどう思う？大我の待ち受け」

「何ですか？」

「見てこれ！あ」

私の目の前にスマホを持ってくると、

「高地まじやめて、ごめんね蘭さん」

珍しく少しムスっとした大我さんが

高地くんからスマホを取り上げる

「大我、ごめんて」

「べつに怒ってないよ」

そして、いつもの彼に戻る

ぼーっとそんな彼を見ていれば

あっ。

スマホから視線を上げた大我さんと目が合う

平然を装うのは得意、

だから

笑顔で軽く会釈して部屋をでる。

どくん、鼓動だけがうるさい