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ep.1 ページ1

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「最近、大我の作るメロディーさ…」




ジェシーは話の途中だって言うのに、

母親が用意したお菓子に手を伸ばす。




「俺の作るメロディーがなに?」



「いやなんか…



 恋でもしてんの?」



図星だ。



言い当てられ、焦る俺を見てジェシーは

いつもの様に大声で笑えば



「いいじゃん、すごくいいよ」



そう言って、ギターを弾き出す。



「待って。俺の作る曲で恋してるとか分かっちゃう?そんなに分かりやすいかな俺」



「うん、分かりやすい」



そしてまた大声で笑う



「そうか…」



「蘭ちゃんでしょ?」




「え…うん。相手も分かっちゃうのか」



「俺はよく人の事見てるからね。でも、確かにあの子はめちゃくちゃ素敵な子だよね」



「ジェシーもそう思う?やだな、ライバル増えちゃう」



「大丈夫だって、心配するなよ」





_数ヶ月前




「こんちはー」


「よろしくお願いしまーす」



ある曲の衣装合わせ



「俺フード付きがいいな」


どう?と樹が鏡越しで俺に聞く



「めっちゃ樹っぽい、いいと思う」



「よし。吉澤さーん、俺このフード付きで…」



ジャニーズは信用のある長い付き合いの人しか


スタイリストとして雇わない。


吉澤さんの師匠だった人が


ジャニーズのスタイリストをやっていて


そのアシスタントだった彼が今、


独立して俺らのスタイリングをしてくれている。



_ガチャ



「失礼します。吉澤さん衣装直しできました!」


勢いよく、ドアが開くと同時に

1人の女性が飛び込んできた。



「お、早いな。完璧、ありがとう」




そう褒められ、

嬉しそうにしている彼女に



俺は一瞬で釘付けになった。



「あ、そうそう。皆んなにも紹介しとくよ」



吉澤さんの言葉で彼女に注目が集まる



「これから俺のアシスタントやってくれる子」



「蘭Aと申します。まだ至らない点はありますが、どうぞ宜しくお願い致します」



裏方でいるのが勿体ない程、


綺麗な人



「よろしくお願いしまーす、苗字も名前みたいだね」


「なんて呼んだらいい?」


樹とジェシーは本当に人との距離の縮め方が上手だ。



「では、蘭とお呼び下さい」



彼女も俺らとちゃんと距離を

置くようにしているのか…



ますます好感度が上がる。



「蘭ちゃんね!よろしく」


「らんらん〜」


「蘭さん…」


彼女の苗字を呟いただけ、


それなのに、


身体中が何故か熱くなった。

ep.2→



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作者名:Mey | 作成日時:2020年9月4日 22時

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