"恋の仕業" (ページ9)

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ep.9 ページ9

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「樹くんお疲れ様～」

やっと樹の撮影が終わった。

「大我くん撮影入りまーす」

みんなとの撮影を見ていたら、

嫉妬とかヤキモチとかそんな感情より

俺が好きになった人はこんなに可愛いんだ、

とかいう誇らしい変な気持ちが湧いてしまった。

「わ、このソファめちゃくちゃいいな」

セットのソファがかなり俺好みのデザインで

部屋に置きたいかも、なんて考えてると

「蘭さん入られます！」

「…お邪魔します」

すっかりモデルさんみたいな扱いをされて、

なんだか申し訳なさそうにしてるAちゃんが

可愛すぎてニヤける

「Aちゃん、モデルさんみたいだね」

「笑ってる…少しバカにしてます？」

「もう一生やらないぞ」自分に言い聞かせてるのか
ボソッと呟いた

きゅん。

視線を落とせば、もこもこパンツに
すべすべな脚、そして太ももが目の前をチラついて

うっわ…堪らねぇ…

って土下座したくなるのと同時に

大勢の前でこんな格好をさせてしまった

自分にすこし腹が立つ。

「じゃあ、蘭ちゃんはソファに座ってもらって大我くんに膝枕してあげようか。それで2人でテレビ見てる感じで」

「はい」

これは、仕事。しごと。シゴト。

余計なことは考えるな

そう、言い聞かせて

Aちゃんの太ももにお邪魔します

「重くない？平気？」

「は、はいっ全然重くないです」

そして、何枚かシャッターが切られる

「いいね、見つめ合っちゃおう」

「蘭ちゃん、大我くんの頭を撫でる感じで触ってみようか」

すっごい幸せ…

やべ、顔意識してなかったけど、キモいかも

「大我くんいいね、リラックスしてるかんじ最高だよ」

俺の頭に伸びる手、

ふいに掴みたくなって

「…あっ」

少し君の困る顔が見たい

「はい、いい写真たくさん撮れた！お疲れ様！」

一瞬にして現実に戻る

「ごめんね、足痺れなかった？」

「大丈夫です、お気遣いありがとうございます」

"俺の事も意識して"と伝えてから

数日が経っても何も変わってないと思ってた

だけど、目をよく見ながら会話する彼女が

今こうやって近くにいても目を逸らすんだ。

そういえば、やたらと最近目が合うし

前まで会釈してくれてたのが秒で逸らされる…

まさかAちゃんも俺にドキドキしてんのかな

なんて、ね。