むらさきくんとしろくん (ページ9)

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: お互いに一目惚れだったようでページ9

fk→会社員 ru→ホスト

(fk)

帰りたい。死ぬほど帰りたい。

「なんで俺も？」

飲み会からの女上司に連れられてきたのは
まさかのホストクラブ

いやいや俺男なんすけど！と心の中で何度も叫んだ

女上司は慣れている感じで「レンくんいる？」と早速ご指名をしていて、隣に座ったレンとう男はまさにホスト！って感じの超イケメン。上司は〝会いたかったー〟って甘ったるい声を出しやがって

「慣れてんのかよ…」

こんな姿の女上司、見たくもない

「あのお…」
「はい？」

早く帰りたいとか考えてると隣にやってきたのは金髪の男の子

「俺、ラウールです。隣座っても良いですか？」
「え？あ、ああ…」
「ふふ、お水どうぞ！」
「酒じゃないんだ」
「だって連れてこられた～感凄いから！あの女性はいつもあんな感じなので、放っておいて大丈夫だよ、多分」

俺だけに聞こえるように耳元でそう言ったラウールくんはニカっと笑った

可愛い

と思った。普通に可愛い。

待てよ、ここはホストだぞ、俺しっかりしろ。

「レンさん、ナンバーワンなんですよ」
「へえ…そうなんだ、イケメンだねえ」
「…んー、俺は？」
「え？あー、イケメンだし可愛いよ」

ピタッとくっついてくる彼はぷくっと頬を膨らませた

「え、なに」
「もー、適当に言ってるでしょー」
「適当じゃねえよ、本当に可愛いと思う」

コイツはなんか、他のホストとは違うな
とにかく甘え上手で可愛い

「あ、お名前は？」
「深澤辰哉です」
「辰哉さん！名前かっこいいね」
「そうかあ？ラウールの方がかっこいいよ」
「へへ、ほんと？うれしっ！」

金髪がふわっと揺れてなんだかスローモーションのように見えた。彼からはキラキラとした何かが出ていて
これがもしかしたら、一目惚れ？

「ねえねえ、また会える？」
「いやー、俺1人でこんなとこ来ねえからなあ」
「じゃあ、外で！ね？！」

そう言ったラウールは俺のスーツのポケットに
何かを突っ込んだ

「待ってるからね」

帰り道にポケットを見ると、

［ラウールの電話です 090-…］
と男の子っぽい文字で書かれていた

「ふは、可愛いな。」

そして、あの場所じゃなくて外で会うようになったのは3日後の話

あれ？何であの時俺の席来たんだろ？

(ru)

やっと会えた。運命じゃん。
電車で見かけてから一目惚れした。
方向的にいつもくる女性の会社？なんて思ってたら。

目「よかったな、会えて」

「ふふ、はいっ」