むらさきくんとしろくん (ページ6)

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: いつまでもこどもじゃないページ6

一般人パロ

(ru)

隣の家のお兄さんは、俺の事をずっと可愛がってくれていた。共働きの両親なのを知って、お留守番の時はいつも外に連れ出してくれた。ただのお兄ちゃん、なんて思えなくなったのはいつだったっけ。

年齢差は11個
あっという間に僕は高校生、彼は28歳

「おーラウーおはよ、行ってらっしゃい！」
「たっちゃん！おはよう！行ってきます！」

彼は地元の会社で働いていて、かっこいいスーツ姿。俺の登校時間と被るからいつも声を掛けてくれる。

なんで好きになってしまったんだろうか
きっとたっちゃんから見れば俺はただの弟、そして、
同性という壁がある

こんなに悲しい初恋があるだろうか

「あれ？たっちゃん？」
学校終わりの駅で見たのは、大好きな彼と綺麗な女の人だった。

仲良さげに歩いていて、俺が話しかける隙なんて無かった

あまりにも残酷に思えた
告白もしてないのに失恋するなんて

「やっぱり、無理だよね」

ほんの少しだけ、可能性があるんじゃないかと思ったりもした、でも違う。そんなわけがない。
その日からたっちゃんに会わないように学校に行く時間をちょっと変えた

帰り道、小さい頃に遊んだ公園の横を通ると
昔の思い出がブワッと蘇る

「っ…」

なんで、泣けてくるんだろう。さっさと忘れたいのに。そんな事出来るわけないけど。

「ラウ？！」
「へっ…」

そう名前を呼ぶのはあの人しかいない
目の前にたっちゃんが立っていた

「え、なんで泣いてんの？学校でなんかされた？」

俺の涙を指で拭った彼。

「なんもないっ、放っておいて」
「なんでだよ、放っておけねえよ」

腕を掴まれると思い切り振り解いた
その姿に目を見開くたっちゃん
そりゃそうだよね、俺はいつもたっちゃんの手を握る側だったから

「もう、優しくしないでよ！こんな好きなのに、叶わないのに…彼女いるんでしょ？もう構わないで…」

出したくもない涙を流して、
伝えたくもない言葉を伝えて、

俺の初恋をこれ以上悲しくさせないでよ

「ラウ、こっち来い。話したい」
「えっ、ちょっと！」

手を掴まれてされるがままに引っ張られると
公園のブランコに座らされた

「で？彼女がいるって？」
「…駅で見かけた」
「それ職場の後輩だよ。そいつと外回りだっただけ」
「そんなの…嘘でしょ…」

そう言うと、彼は大きなため息を吐いて俺の目の前に立った