むらさきくんとしろくん (ページ5)

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: 頼れる男になれますページ5

(ru)

「ラウーーー」

トイレからリビングに戻るとダラダラモードの
恋人が俺の名前を呼んだ

しかもノールックだし。

「なにー」
「ねー、腰痛い！マッサージしてラウ」
「ええ…おじいちゃん…」
「うるせえよ！年上労われ～」
「もぉ…はいはいー」

ふっかさんの家にほとんど入り浸る俺はもう同棲してるようなもの。ふっかさんもふっかさんで嫌な顔しないし、なんなら「今日は？来る？」って誘ってくれるもんね。

ソファに寝転ぶ彼の腰あたりを押すと〝はあ～〟と息を吐き出した。

「ねえ、本当におじいちゃんみたい」
「あ？カッコいい彼氏の間違いだろ」
「まあ、そうだけど」

なんでふっかさんを好きになったんだっけ？
多分最初は本当に頼れる先輩？お兄ちゃん？ママ？って感じだったのに。

彼氏になったふっかさんは、今までより何百倍もカッコく見えちゃう

「ここら辺ですかねー」
「あーいいっすねえ、お兄さん上手ですわー」

ふざけながら優しくマッサージしていると、
俺の問いかけに返事をしなくなった

「え、寝てる？」

まさか、俺のマッサージで寝るなんて。まあ光栄だけど。

ちょっとうつ伏せだからほっぺたがむぎゅってなってブサイクな顔になってるな

「可愛いよ、寝顔も」

近くにあったブランケットを背中にかけて
そっと手を握る

「早くふっかさんの事守れる大人になりたいよ」

歳の差気にすんなって言われるけど、気にしちゃうし、いつも守ってくれる彼に何も返せていない

「だいすきだよ」

小声でそう言って立ち上がろうとすると握った手に力がこもった

びっくりして彼の顔を見るとぱっちり目が開いていて
〝何言い逃げしてんだよー〟なんて笑いながら言った。

「えっと…起きてた？」
「寝てる？って言った時かな」
「え？！？！なんで言わないの！恥ずかしい！やだ！！！」

さっきの言葉を聞かれてたと思うと一気に顔が熱くなる

「よいしょ」

起き上がって座り直したふっかさんは大きく手を広げて〝おいで〟と呟いた。
手を広げられたらそりゃいくしかないし、
ふっかさんのハグが大好き

「で？大人になりたいとか言ってたべ」

規則正しく頭を撫でながら優しい声で聞いてくるふっかさん。これだけで子守唄。

「うん、頼れる男になりたいし」
「はは、何年後かな～」
「すぐになる！すぐ！」

まだまだ甘えちゃうから

「ラウ好きだよ」

そう言って溶けるようなキスをされた。

いつか必ず…カッコいい男になるよ