むらさきくんとしろくん (ページ18)

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(fk)

「いや…顔ちっせえな…」

明るい俺の部屋で良く見た彼は、可愛くて小さい顔。おまけに身長は俺よりめっちゃ高い。

どう見ても訳ありには見えない。

「とりあえず、全部話してよ」

そう言うと男は話し始めた

名前はラウール。20歳。
趣味は食べる事で、

「え？！？！？！村上財閥？！？！」

「はいっ、そこの息子です」

村上財閥と言えば死ぬほど有名な超金持ちで有名企業の社長…のお坊ちゃん…

「いやいやいやいや、待って、なんでそんな子が公園に居たの？いやまずくない？！今頃大捜索されてない？！俺犯罪者？！」
「落ち着いてください、続きがあるので」
「あ、うんごめん」

どうやらお見合いをさせられそうになって逃げてきたと。ご両親の選ぶ基準は勿論肩書き。紹介させられたのは有名企業のお嬢さん。

なんだそのドラマみたいな展開

「２０歳になったらこうなるって分かってたけど、いざその話が来たら嫌になって…逃げてきちゃった。でも！大丈夫！僕の執事に上手い事話して貰ってるの！」
「執事の人が親に話し通せるのも時間の問題だろ…」
「ですよね…でも！迷惑は絶対かけないから！お願い、少しだけ住まわせてください！！」

やめろ、そんな顔で訴えるな。
俺は断れないんだよ、いや、断れよ、独身の一人暮らしを満喫してたじゃないか。

夜はゲームしてお酒飲んで…

「お兄さんっ…！」

やめろ、そんな目で見るな

「あーーーーーーー、はあ」

だから俺は残業男なんだよ
困ってる後輩を放っておけない性じゃん

「わーーかったよ、いいよ」

俺の言葉に子どものような笑顔になる彼

「うぐっ」

そして気づけば思い切り抱きしめられた

いや、待てよ
誰かとハグしたの何年振り？

「ありがとう、お兄さんっ」
「ん、…明日色々買わないとな」
「ふふ、はいっ」

頬を少し赤らめた彼を見たら
少しだけ可愛いと思った

いや、だいぶ可愛い

「なんかお腹すいちゃった」
「あー、じゃあ適当にカップ麺食うか」

「これ食べ物ですか？」
「そうだよ！！！」

ああ、この先どうなるんだ

でも、

「んー美味しい！」
「だろ？」
「うん！」

良い子なのは確かだし

まあ、どうにかなるか

「え、これに寝るの？」
「お前シングルベッドしらねえのかよ！」

「ギュッてして寝たい！」

あー、こういうの悪くないかも

(続く…？)