むらさきくんとしろくん (ページ2)

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: 好きすぎるんですページ2

(ru)

恋をした。
でもそれは、叶うはずもない苦しい初恋だ。

「ラウおはようー、学校お疲れ！」
「おはよう、ありがとうふっかさん」

学校終わりに現場に向かうと、
1番に優しい顔で、声をかけてくれるふっかさん

「腹減ってない？」
「んー、ちょっとお腹減ったかも」
「お、良かった。さっきコンビニで買ったから食べな！」
「わ！唐揚げー！ありがとお！」

貴方から俺はどんな風に見えている？

弟？息子？後輩？

きっと、…いや絶対にそれ以上に思われる事なんて無いんだ

「どうした、ラウール」
「ああーめめ、なんで？」
「顔、泣きそうだぞ」

めめに指摘されなきゃ気づかなかった
岩本くんと仲良く話す姿を見て、無意識にそんな顔をしていたらしい

岩本くんとふっかさんは、お似合いだよ
分かってるからこそ、俺の入る隙なんてなくて悲しい

「…恋してるねえ」
「え？なんでよ、別にしてないよ」
「ふーん、最近ふっかさんの事見てるじゃん」

めめはすぐになんでも分かっちゃうね

「恋が叶わないって思ったら、諦めるべき？」

ふっかさんの方を見ながらめめにそう言うと、
頬っぺたを思い切りつねられた

「痛い」
「お前さ、いつ叶わないって決まったんだよ。本人から言われたのか？ラウが勝手に決めてるだけでしょ。」
「言われてないけど、見たら分かるじゃん。岩本くんの事好きでしょ？ふっかさん。きっと両思いだもん。」

悲しいんだから言わせないでよ、と付け足して
ふっかさんに貰った唐揚げの残りを全部頬張った

「おい、食いながら泣くなバレるぞ」

だって、涙が出てくるから。

宮「あらら、どうした？」
「っ…ううん、美味しくて泣けてきたの」
宮「ふふ、嘘がヘタクソだね。」

通り掛かっただてさんは俺の頭を撫でて微笑んだ

「お前分かりやすいから、だてさん分かってるぞ」
「え？！」
宮「はは、分かってるよ。なんで泣いてるのか。最近恋してるんでしょう？」

クスリと笑っただてさんは俺をふわりと抱き締めた

「んー、だてさんー…」
宮「良いこと教えてあげるよ、ラウ」
「良いこと？」

だてさんは俺の耳元に顔を近づけた

宮「ふっかは照の事、恋愛対象で見てないよ。照も同じ。あとね、多分今は俺に嫉妬してるかも。」

「え？どういうこと？」

謎の言葉を残しただてさんは、インタビューに行ってしまった。いつの間にかめめもいない。

「ラウー」

呼ばれた方を振り向くと、ふっかさんが立っていた