これが（す）です。 (ページ10)

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mm×ab ページ10

: 17歳には内緒

(mm)

阿部ちゃんがさっきから電話をしてる

しかももう1時間

『そうそう、分かった？凄いじゃん』

ラ〝すごーい！できたー！〟

相手は学生のラウールで課題を聞きたかったと。
スピーカーで話してるから会話が全部聞こえる

メンバーだし、しかも10代に妬くとか

あり得ない。

ラ〝この式はー…〟

『あーそれは、』

止めたいけど止めれない

でも、もうそろそろ、

「ねえー、まだ？」

ちょっと大きめの声で言ってみると、
阿部ちゃんが振り向くのは勿論電話の向こうのラウも反応した

ラ〝あ！めめぇー！！〟

「お前長えよ、ラウ」

『ちょっと、何言ってんの』

阿部ちゃんは俺の肩をパシンと叩いた

ラ〝めめ寂しかったの？可愛いね！〟

「うるせえうるせえ」

ラ〝あべちゃん、もう課題大丈夫そうだから、めめのこと構ってあげて！〟

『えっ、大丈夫？』

ラ〝うん！また何かあったらメッセージ送るね〟

『わかった。頑張って』

ラウールとのやり取りを終えると〝ふう〟と一息つく阿部ちゃん

『もー、17歳に気を遣わせないでよ』

「いいじゃん、俺も構って」

そう言って彼を抱き寄せると呆れた顔をしつつも
俺の背中に腕が回された

「ラウ、偉いよな」

『ふふ、そうだねえ』

「俺が勉強できたら教えてあげられたのになー」

『え～、まあ、そうだけど』

阿部ちゃんは微笑みながら〝勉強で頼って貰えるの嬉しいんだ〟と付け足した

俺も大学の課題を手伝ってもらっていたな、
阿部ちゃんが居なきゃ卒業できなかったし

でも今日は、構ってくれなきゃ困る

「ラウに阿部ちゃん占領されたから今からは俺ね」

『なにそれー、可愛いね』

「やめて、可愛くねえし」

阿部ちゃんの顔がニヤニヤしている

そうやって年下扱いしやがって

『可愛いねえ、年下に嫉妬しちゃって。構ってあげるよ』

「るさい」

『顔赤い？ねえ、赤い？』

「うるさい、やめろ」

顔を覗き込んでくる阿部ちゃんと目が合った

その瞬間にキスをするとびっくりした顔をする彼

「あれ、さっきの余裕はどこ行ったの？」

『はっ…なんだよ、目黒が悪い』

「構ってくれるんでしょ？？」

ぐいぐいと顔を近づけて〝ラウには教えられない事、する？〟と呟くと、かあっと顔を赤くする彼

恥ずかしそうな彼を床に押し倒す

『…昼だよ』

「知らない」

そんな事聞くくせに、

俺の服をぎゅっと掴むのは〝いいよ〟って事でしょ？