これが（す）です。 (ページ5)

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dt×kj ページ5

: お誕生日おめでとう

(kj)

両手に花束と、現場のスタッフさんからの誕生日プレゼントを抱えて足早に家へ帰る

今日は自分の誕生日

仕事が入っていた俺は朝家を出るときに
〝終わったら寄り道せずに帰ってきてね〟
と恋人のだてに言われた

「ただいまー！」

大きい声でそう言えば中からエプロンをした恋人が
お出迎え

『おかえり康二。ちょうどご飯できてるよ』

「え？！ほんま？グットタイミングやなあ」

手を洗いに行ったときにちらりと見えたお風呂場からは湯気が見えて、お風呂まで準備してくれている

俺には勿体無い位の素敵な彼氏

リビングに入るとテーブルに並ぶ豪華なご飯

「うわーうまそう」

『ほら、早く座って』

好物ばかり並んでて、お酒も置いてあって、

「ほんま幸せすぎる～」

『ふは、そんな康二を見て俺も幸せだよ』

〝康二は康二のままで〟

〝俺に甘えてよ〟

だては俺に沢山の愛をくれる

今日だって、こんなに幸せな誕生日はあっただろうかって位

『改めて、お誕生日おめでとう康二。はいこれ。』

嬉しい言葉と共に渡されたのは小さい紙袋

「ありがとう！なに～？開けてええ？」

『うん、いいよ』

微笑むだての前で袋を開けると小さい箱

「うわ！めっちゃ可愛い！」

箱の中にはピンキーリング

『最近ピンキーリングつけてるでしょ？だからどうかなって思って』

「やばいわ、嬉しい」

リングを取り出すと〝あ、待って〟と止められて

物だけ取り上げられた

『はい、指出して』

そう言われ素直に小指を出すと、
リングをはめてくれた

「ちなみに、お揃い」

だての小指には同じリングがしてあって

さっき言ってたお揃いだと気づいた

「だて…ほんまに大好き！」

微笑む彼に思いきり抱きつくと〝危ないよー〟と笑いながら抱きとめてくれるだて

「あー、こんなに幸せでええんかなあ」

『良いんだよ、誕生日だしね』

「これ大事にするなあ」

『ふふ、うん。』

ぎゅっと抱きしめてくれるだてがあったかくて

もう今日は幸せ以外なにもない

時計は12時になりそう
最高な誕生日もあと少し

『ねえ、あとお願いがあるんだけど』

俺の目を見つめて言った彼に首を傾げると
頬に手を添えられた

『26歳最初の康二を、くれない？』

「へっ…」

俺はこの人がどこまでも、好きだ

『良い？』

「へへ、ええよ」

26歳最初の日は、溢れんばかりの愛をくれた