【ジョジョの奇妙な冒険】Gattina (ページ8)

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2人だけになったかの様だった。確かに周りに人気は無かったが、もっと世界に2人だけになったかの様な。全ての音が遠ざかって、その代わり耳にはうるさく鼓動が響く。今更になって体がようやく思い出したかのように震え始めた。

｢……。だから、シーザーも真剣に考えてね。俺は気が長いから、待ってあげるけどー。｣

｢っそ、そうかよ……。｣

Aは突然にこりと笑うと、こちらをからかうようなトーンでそう話した。その言葉を口切りにしたかの様に体の硬直が一気に解ける。いきなりの雰囲気の変化に、こちらの動揺を悟られないように目を逸らしながら悪態つくのが精一杯だった。体はまだ、少し震えている。

｢……もう帰る、ここで解散だ。｣

｢えぇ、まだ俺シーザーと居たいけど。｣

｢うるさい、これ以上一緒にいたら襲われるかもしれないからな。｣

｢そんなケダモノじゃあないよ。｣

｢じゃあな。｣

｢あっ……、シーザー！｣

低く別れを告げ、Aを押しのけて帰りの道を歩き出す。この場にこれ以上居続けるのが、あまりに苦しく思えたから。後ろからの声が聞こえないように、わざと足音を大きく立てながら早歩きで。

(いや、早歩きじゃ駄目だ。もっと早く、早く、走れ。)

地面を蹴って、声が聞こえないように。あいつが追いかけてこないように。ぐちゃぐちゃになってしまった心を、置いていくように。

がむしゃらに走っていくと、あっという間に先程の場所から離れた大通りに出た。段々と減速して、よろよろと立ち止まる。体の力を抜くと、ため息がひとつ出た。

｢……っはぁ。｣

鼓動がうるさいのは、全速力で走ったせいだ。

｢……煙草、吸うんだ。｣

へぇ、と弧を描いたAの口から嬉しそうな声が零れた。

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前回の話の切り所を間違えた感凄いですね←