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なんで、 ページ28

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「この船から感染者を出してしまうとは……」
「他に喫煙室に入った者は!?」
「きゃあああッ!!?」


今度は、ポニーテールのウェイトレスさんが悲鳴を上げ、倒れてしまった。

「ちょっと、大丈夫!?」


隣にいたショートヘアのウェイトレスさんは膝をついて、倒れたウェイトレスさんの肩に触る。
その時、その人の右手と左腕が赤くなっていることに気づき、「ほ、発疹が……!」と中森警部に言う。


「そういえば、この子も喫煙室に行ってました…!」
「くそッ!彼女もか……!!」





カリカリカリ…。

痒い。かゆい。かゆい。かゆいかゆいかゆい。
さらにスピードをはやめて右手首をかく。



…ん?かゆい……??

なんで?別に蚊に刺されたわけじゃな、…え?



いつからかいていたのか分からない左手をとめ、かいていた場所…右手首を見ると、赤い発疹が出ていたことに気がついた。



『な、なんで……!!?』
「A?どうかした、の……って、それ…!?」
「ほ、発疹!!?」


発疹という言葉を聞いて、ここにいる全員の視線が、私にうつった。
なんで…?なんで、ここに発疹が現れたの?


「喫煙室に入ったのか!?」
『は、入ってない!私、そんな所行ってない…!』


そう、行ってない。そもそも、喫煙室の場所なんて知らない。だって、私はタバコなんて吸わないから。まだ中学生だし…
なのになんで?細菌は喫煙室にあったんだよね?どうして……、



「と、兎に角、三人を隔離できる場所は?」
「それなら、診察室の奥に病室がある。今回、医者は乗せとらんが、そこなら外から鍵がかけられる」
「よし、そこにしよう」
「私が案内を」
「うむ」


中森警部の部下達が、倒れた二人を運んでいく。私も、その人達についていく。


「A、A!」
『…お姉ちゃん、…』


蘭ちゃんは私に駆け寄ろうとするが、中森警部の部下達がそれを止める。
それはそうだ。近づいたら、感染するかもしれないから。




……今朝のニュースを思い出す。
確か、感染したら、最初に発疹が出てきて、そして数日間高熱が続いて、全身が衰弱して…最終的には……死。



『(……死んじゃう、のか…)』
「念の為、このダイニングも閉鎖した方がいいだろう」
「それじゃあ皆、ラウンジの方へ移ってくれ!」






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ゆず - ギャグマンガ日和知ってるんですね!!!びっくりしましたww (2020年9月28日 20時) (レス) id: 072bc2e07e (このIDを非表示/違反報告)
蒼月(プロフ) - 伊月さん» 伊月様ありがとうございます(´˘`*)気に入って頂けたら嬉しいです〜(´ ˘ `) (2020年4月14日 22時) (レス) id: d845780461 (このIDを非表示/違反報告)
伊月 - 作者さんの名前カッコいいなぁ~と思って読んでみることにしました!面白いです! (2020年4月13日 20時) (レス) id: 34a45304c1 (このIDを非表示/違反報告)
蒼月(プロフ) - ミキさん» ありがとうございます〜(´▽`)気まぐれ更新ですが、頑張ります〜 (2019年7月9日 20時) (レス) id: 6a90747ca0 (このIDを非表示/違反報告)
ミキ - とても面白く、このお話大好きです!これからも、頑張ってください(^^)v (2019年7月9日 20時) (レス) id: 4ee4ae0d34 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:蒼月 | 作成日時:2019年6月21日 22時

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