蘭の妹【DC】

スタッフ ページ15

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｢ところで、今回の客はわしらだけなのかな？｣阿笠博士が、園子ちゃんにそうたずねた。

｢…あー、確か…藤岡さんってルポライターの人が……なんか、次郎吉おじ様とキッドの対決を是非書かせて欲しいって、自分から売り込んできたらしいわよ｣
『……もしかして、あの人？』


今、丁度このラウンジに入ってきた男性を指した。
｢そうそう、あの人よ｣と、園子ちゃん。

その男性……藤岡さん？は私達の近くに来て、窓から下の景色を眺めた。


｢他には……｣
｢すみません、毛利小五郎さんでいらっしゃいますね｣


今度は、私達から少し離れたところにいる小五郎さんに話しかけているメガネの男性に目線を移した。

｢初めまして、日売テレビディレクターの水川と申します。それから…レポーターの西谷かすみと、カメラマンの石本順平です｣


メガネの男性…水川さんは小五郎さんに名刺を渡して、後ろにいた2人のスタッフを紹介した。
西谷さんと石本さんが一礼すれば、小五郎さんも会釈。
わわ、美人がいる…！



｢今回、鈴木氏とキッドの対決をうちの独占中継することになりまして…｣
｢あー……確か、夕方から特番を…｣
｢はい。本当は、いつかの空中歩行のときのように、局をあげて放送したかったんですが、生憎時期が悪くて…｣
｢……ああ、赤いシャムネコか。｣
｢ええ。七日以内に次の行動を起こす…と、予告があってからは、局では緊急事態に備えています｣


いつかの、空中歩行……？キッド様が、だよね？く、空中歩行………さすがキッド様だね…みたかった。生で。

なんて赤いシャムネコよりもキッド様のことを考えていると、ついにあの人が犬を連れてラウンジにやってきた。後ろには四人の部下がいる。(ボディーガード的な…？)



｢ふん、おかげでワシの自伝映画用のヘリの飛行許可も降りんかったわ。全く、忌々しいドラネコ共じゃ！のうルパン｣


そう、次郎吉さんだ。(あの犬はルパンっていうんだ、可愛い)
生の次郎吉さん……七十二歳には思えないくらい元気がよさそうな人だなぁなんて。


｢どうもどうも鈴木相談役。本日はよろしくお願いします。それにしても…素晴らしい飛行船ですな｣
｢フン。その素晴らしい船から中継するのに、
スタッフが三人とはのう…｣
｢い、いやあすみません…例の事件で局が手一杯でして………｣



次郎吉さん、不満そうだ…

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