雪男たちの日常そのなな ページ21
岩本 side
ツアーも3ヶ所目の新潟。
ちょうど目黒のsilentが始まって、花那ちゃんも出てるから俺たちの間ではその話ばかり。
しかもキスシーンとか、激しくは無いけどベッドシーンとか、演技だって分かってるけどモヤモヤする。
なんて、彼氏でもなんでもない俺に嫉妬する権利なんてないのにな。
佐久間とか翔太とかふっかとか、ワーワー言えるやつらが羨ましくなる。俺だけじゃなくて多分阿部も、口にするのはなんか違って、上手いこと消化できない。
目黒「ねえ、このあと岩本くんの部屋行ってもいい？」
岩本「いいけど。なんかあった？」
目黒「んー、阿部ちゃんの部屋でもいいんだけど、あそこ人集まり過ぎるから、阿部ちゃんも呼び出した方がいいかなって。」
岩本「………本当になんかあった？」
目黒「後で話すよ。」
岩本「飯、どうする？」
目黒「俺ケータリングでいっぱい食べたからいいかな。部屋行く時連絡入れるね。」
岩本「ん。分かった。」
わざわざその3人なんて、花那ちゃんのことってのは確定だよな。なんだ？撮影の時なんかあったとか？まさかまたどっかのマネージャー？いやでもドラマの現場は大丈夫だって言ってたよな？
目黒より先に来たのは阿部で。でも阿部も何だか分かってないみたい。
阿部「なんかあったのかな？わざわざこの3人って。」
岩本「な。色々考えてはみたけど、結局あの時以降俺は会えてないからさ。」
阿部「花那ちゃんが忙しすぎて時間合わなくてさ、勉強会も出来てないんだよね。だからまじで目黒しか会ってないと思う。現場でなんかあったのかな。」
結局は目黒を待つしかない。とりあえずコーヒー入れながら待ってると、ようやくやってきた本人。
モヤモヤしっぱなしの俺らに反して、いつも通りの様子の目黒。
目黒「ごめん、待たせた？」
岩本「いや、まあ、うん。目黒もコーヒーでいいよな？」
目黒「ありがとう。2人ともそんな構えなくて大丈夫だよ。なんていうか、2人の気持ち聞いとこうかなってだけだから。」
阿部「俺らの気持ち？」
目黒「俺と花那ちゃん。キスシーンあったじゃん。みんな色々言ってくるけど2人はなんも言わないからさ。どう思ってんのかなって。」
阿部「うん、まあでもほら、仕事なんだから俺らがとやかく言うことじゃないでしょ。」
岩本「俺も同じ。2人とも仕事でやってるんだからさ。」
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作者名：瑠奈 | 作成日時：2023年10月1日 1時
