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阿部 side
『亮平さん、天気も良いですし庭でのんびりしませんか？』
そう言って花那ちゃんに案内された庭にはハンモックチェアが用意されていた。
勧められるがまま腰をかけると、アイスココアを2つカップに入れてきた花那ちゃんが隣に座る。
阿部「ありがと。いただきます。」
『ここ、私のパワースポットなんです。』
阿部「パワースポット？」
『亮平さんと出会う前、心が疲れちゃった時はここでただぼーっとして、空っぽにしてたんです。あの時の私は泣くことすら上手く出来なかったから、それがデトックス、みたいな。』
阿部「花那ちゃん…。」
『今は、亮平さんのおかげで、ただの佐々木花那でいる時は泣けるようになったので。と言っても今のところ亮平さんの前でだけなんですけど。今は空っぽじゃなくて、空を見上げて穏やかに過ごしてます。今日みたいなお天気の日は絶好のお昼寝スポットですし、夜は星を見あげてます。』
阿部「ふふ、そっか。」
『だからちょっと、ゆっくりしちゃいましょう。』
阿部「ん、そうだね。ひとつだけわがまま、言ってもいい？」
『なんですか？』
阿部「手、借りてもいい？」
『んふふ、どうぞ。私の手でよければいくらでも。』
花那ちゃんが泣けるように、向かい合って両手を繋ぐことはあった。
けれど横並びで、俺の左手と彼女の右手を繋いで、こんなに静かで穏やかな時間は初めてだ。
ポツポツと話をしながら、気がつくと俺は眠ってしまった。
目が覚めると、景色は夕陽に染まっていた。
隣にいたはずの体温はない。その代わりに、彼女のものだろうブランケットが掛けられていた。
室内に目を向けるとキッチンに立つ姿が。空になったココアのカップを持って中に入る。
『あ、亮平さん。目が覚めました？』
阿部「ごめん、俺寝ちゃってたみたいで。」
『ゆっくり出来たなら良かったです。』
パパ「花那、そろそろキッチン代われる？」
『はぁい。今オーブン入れたばかりだから焼きあがったら呼んでくれる？スープと副菜の下拵えも出来てる。』
パパ「了解了解。じゃあパエリア作り始めちゃうね。」
『うん、お願いします。今日ママ何時に帰ってくるかな？』
パパ「さっき連絡きて打ち合わせ終わったって。これから帰るって言うからいつもより早いかもね。」
『じゃあママの時間に合わせるね。亮平さん、ご飯までもう少し時間かかるんですけど、何しましょう！』
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恵蓮(プロフ) - 毎話楽しいお話ありがとうございます！これからも更新楽しみにしております (8月19日 23時) (
レス) @page42 id: 151ed770d1 (このIDを非表示/違反報告)
優希(プロフ) - あべちゃんとの関係が1番好きでほっこりしました☺これからも更新楽しみにしてます！ (6月3日 16時) (レス) @page6 id: e49244e76b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瑠奈 | 作成日時：2023年5月31日 16時
