ひとさじの砂糖があるだけで ページ26
You side
撮影予備日。だけど今日は撮影が入らなくて、有難いことに事務所からも少し休めと言って貰えたからオフ。
昨日の撮影終わりに、めめさんから渡された手紙には、美術館の入場チケットと、「14時に常設展の10番エリアで待ってるね。」というカードが入っていた。
だけど、めめさんの字じゃない。名前は書いてないけど、多分、亮平さんの字。
どうして?でも、めめさんから手渡されている以上、怪しいとか怖いことは起きないだろうし…。
久しぶりに朝少しゆっくり起きて、料理もして、出かける準備。
これなら、派手すぎないし地味でもないし、大丈夫かな?
13時半、貰ったチケットで館内に入る。
美術館も久しぶり。
つい色んなものに目が行ってしまって、あっちへこっちへふらふらしながらも、呼ばれていた10番のエリアに着く。
あ、なるほど、だからこのエリア…。
阿部「オセローにハムレット、マクベス、テンペスト。好きかなと思って。どう?当たった?」
『びっくりした…、はい。好きです。特にテンペスト、好きです。』
阿部「これって喜劇でいいんだっけ?」
『うーん、難しいとこなんですよね。悲喜劇…、ロマンス劇、かな?』
阿部「ほう…?」
『ふふっ、まあこの辺はご興味があればいつかゆっくりお話しますね。』
阿部「あー、長くなるやつだ笑 てことで、移動しようって言いたいんだけど、10分してからここに向かってくれる?俺先に出てるね。」
『え、あ、分かりました。』
現れたのはやっぱり亮平さんだった。そして渡されたのは喫茶店のカード。
言われた通り10分はここで版画を堪能させて貰って、移動する。
お店に入ると、伝わっているのか店員さんが奥の区切られた座席を案内してくれた。
そこで待ってたのは、さっきも会った亮平さんと、めめさんだった。
『………、え?』
目黒「来てくれてありがとう。」
阿部「迷わなかった?」
『それは大丈夫です。えっと、ん?』
目黒「めっちゃ混乱してるね笑 俺が阿部ちゃんに話してさ、花那ちゃんとどうやったらゆっくり話せるかなーって。そしたら計画立ててくれて。」
『私と?でも毎日会ってました。』
目黒「それはそうなんだけど。でも前言ってたじゃん?お仕事の時は仕事モード入ってるからって。そういうんじゃない花那ちゃんと話がしたくてさ。」
『でもどうして、っ、阿部さん…?』
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ccs730(プロフ) - いつも楽しく読ませて頂いています!!どっちもオタクなのでとても楽しく読ませて頂いております!これからも気長に更新待ってます!!! (2023年4月1日 19時) (レス) id: 45e6ad97f4 (このIDを非表示/違反報告)
瑠奈(プロフ) - 恵蓮さん» 恵蓮さまコメントありがとうございます。楽しんで頂けたようで嬉しいです!不定期な更新ですが、今後とも楽しんで頂けるように頑張りますね。どうぞよろしくお願いします! (2022年12月14日 21時) (レス) id: 596bd3bacd (このIDを非表示/違反報告)
恵蓮(プロフ) - juiceのお話、全然なかったのでこんな長編シリーズ書いていただいててとても嬉しいです!素敵なお話であっという間に読んでしまいました…。これからのお話もたのしみにしております。 (2022年12月12日 0時) (レス) id: 6e95395771 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:瑠奈 | 作成日時:2022年10月24日 14時