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目黒 side
『ダメですね、こんなんじゃ。個人のお仕事には持ち込まないぞって決めてたのに。』
目黒「いや、正直周りは気づいてないと思うよ。俺も、違和感は感じてたけど、ただ忙しいからかなって思っちゃってた。でもこの前メンバーさんの卒業発表があったの見てさ。気づけなくてごめん。」
『なんで、めめさんが謝ることないです。気づかれない方がいいんです。そうしてるんです。』
目黒「それでも、気が付きたかった。花那ちゃん、辛い時は辛いって、悲しいって、苦しいって言っていいんだよ。俺は、花那ちゃんからそういうの聞きたい。」
両手でココアを握りしめる花那ちゃんの手を、上から包んだ。
嫌がられたらすぐ離そうと思ったけど、ちょっと表情が変わった気がして、そのまま力を少し入れる。
俺とは違う、小さくて細い手。大丈夫だよって声をかけながら手を握り続けると、おずおずと、ゆっくり顔を上げて。初めて見る、花那ちゃんの潤んだ瞳。
『めめさんみたいになりたいのに、全然出来なくて。』
目黒「俺?」
『Juice=Juiceの為にって、個人のお仕事頑張りたいって思ってやってるんです。めめさんみたいに、グループに還元出来たらって。』
目黒「花那ちゃんめちゃくちゃ頑張ってるもんね。」
『でも全然、上手く出来なくて。リハとかにも参加できる回数が少なくて、ただでさえまだ加入1年未満の子が居たりするのに、その子たちの指導だって、後輩含めみんなに任せっぱなしで。』
目黒「それは、リーダーとかサブリーダーの人達だって居るでしょ?」
『そうなんですけど、でもここ数年卒業とか加入でグループの形が変わり続けていて、その中で、私は歴で言うと2番目だし、もっとグループを支えなきゃいけないのに。何やってるんだろうって、思ってしまって。』
目黒「花那ちゃんがしてる事は、誰にでも出来ることじゃない。俺も花那ちゃんも、選ばれてここに居る。俺たちにしか出来ない。」
『はい。』
目黒「グループ仕事でみんなに会うとさ、ほっとしない?なんか、家に帰ってきたぞーみたいな。」
『最初の内はそうでした。でも、最近は、リハやレッスンに参加できなくて、また迷惑掛けてるなっていうのがまず出てきて。皆が仲を深めているのに、そこに上手く馴染めない自分もいて。』
目黒「あー、そっか。俺らは卒業とかそういうのは無いからな…。」
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ccs730(プロフ) - いつも楽しく読ませて頂いています!!どっちもオタクなのでとても楽しく読ませて頂いております!これからも気長に更新待ってます!!! (2023年4月1日 19時) (レス) id: 45e6ad97f4 (このIDを非表示/違反報告)
瑠奈(プロフ) - 恵蓮さん» 恵蓮さまコメントありがとうございます。楽しんで頂けたようで嬉しいです!不定期な更新ですが、今後とも楽しんで頂けるように頑張りますね。どうぞよろしくお願いします! (2022年12月14日 21時) (レス) id: 596bd3bacd (このIDを非表示/違反報告)
恵蓮(プロフ) - juiceのお話、全然なかったのでこんな長編シリーズ書いていただいててとても嬉しいです!素敵なお話であっという間に読んでしまいました…。これからのお話もたのしみにしております。 (2022年12月12日 0時) (レス) id: 6e95395771 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:瑠奈 | 作成日時:2022年10月24日 14時