意識されない ページ5
改札で向井君と目黒君と別れてまたイヤホンをはめて1人で登校していると後ろから肩を叩かれ振り向くと
"はよー、なぁにしてるの"
「 見たらわかるでしょ登校してるの、てか眠そうだね辰哉。」
"んー、ゲームしすぎたぁ"
彼の話し方は本当に眠そうでこっちまで眠くなってくる。
"おはよー!!!A!!!! げ、深澤辰哉!!"
いちばん最初に仲良くなった椿が横から声を掛けてくるも
隣の辰哉に眉を顰める。
"私のAとの登校時間になんで深澤がいるんだよ!!!"
"朝から元気だねえ椿ちゃん。"
この2人は中学から同じなのに見た通り犬猿の仲。
不思議で仕方ない。
そんなやりとりを真ん中に挟まれながら見守りクラスに着くと
隣のクラスから大きな声が聞こえた。
"康二うるさいな、"
辰哉のふとした呟きにいつもは反応しないのに今日は反応していた。
『 ねぇ、康二って向井君?』
"あれ?Aってこーじのこと知ってるっけ?"
『 今日会ったの改札で。』
" あー、なるほどねえ"
『 …目黒君と仲良いよね、向井君』
"え?うん。中学からこーじが目黒の事大好きだからね。"
『 辰哉って目黒君と同じ中学なの?』
"そだよ。え、なに、今日すごい目黒のこと聞いてくるじゃん"
『 電車で話したの、目黒君と』
"目黒ファンだっけ?A"
『 ううん、別に。かっこいいなぁとは思うけど』
" てか、まって目黒から話しかけられたの?"
『まさか〜。電車で座ってたらクスって笑われた気がしたからなんだろって思って上見たら目黒君で、思わず名前呟いちゃったら 俺の事知ってるのー?ってそこからちょっと話しただけ。改札で向井君に会って別れちゃったし』
"ふーん、目黒がねぇ、話したんだ〜"
『なに、辰哉感じ悪いよ、』
"そんな言わなくていいじゃん。目黒って女の子と話さないので中学から有名なのよ。寄ってくるから嫌って一切相手にしないし。"
『え、そんな感じなんだ…』
もしかして、また女として意識されてないから話してくれたのだろうか、また特別な人の特別にはなれないのだろうか、と
その後辰哉がベラベラと話してたことも全く聞こえずに
1人深く考えてしまっていた。
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作者名:碧 | 作成日時:2023年10月30日 14時