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マネージャーとして任されたのはこのグループが初めて。
16人という大所帯のスケジュール管理は中々に大変だから
マネージャーチームが結成された。
「初めまして…」
『初めまして。よろしくお願いします』
緊張しているのか目は中々合わなかった。
私が手を差し出して握手すると
ビクッと肩を揺らして顔が真っ赤になった。
なんだか猫みたいでかわいいなぁっていうのが
彼___藤原樹の第一印象。
初のアリーナツアーを終えて全員で打ち上げ。
誰1人怪我なく回れたことに安心したし
成長した皆の姿がとても眩しかった。
「Aさん俺かっこよかったですか」
『いっちゃんはいつもかっこいいパフォーマーだよ?』
「俺以外にかっこいいって言わないで下さいね」
『わかった、わかったから飲みすぎないでよ?』
「それはAさんもです。弱いんだから」
むすっと唇を突き出す成人男性、きっとうちのグループの子達しかかわいいと思えない。
親バカならぬマネバカ?
お酒飲むとちょっと甘えん坊になるいっちゃんは
最近演技のお仕事も増えてきたし共演者と何かあったら大変だなーと頭の片隅に思った。
数時間後、あれよあれよと断らずに飲んでいた私がフラフラになった。
「ちょ、大丈夫?帰れるAちゃん」
『陣さん大丈夫ですよぉ、ちゃんと歩けるので…』
ふらつく足元が重力に負ける。
「っ!危ないんだから」
『ん、ごめん…』
「もう疲れてるのに無理に飲むから…タクシー呼ぶから樹送ってってあげて」
よろけた体を支えてくれたのは樹。
この子もちゃんと男の子なんだなぁ…
10分もしない内にやって来たタクシーに2人で乗り込み
自分の住所を伝えた所で目を閉じた。
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作者名:ねむたろう | 作成日時:2022年9月7日 17時