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その日の帰り道。
いつもと同じように北斗、樹と学校の最寄り駅までの道を歩く。
今日から始まるドラマの話とか、
駅前にオープンしたケーキ屋さんのショートケーキが絶品らしいとか、
学校で美男美女カップルと話題だったあのふたりが別れたとか、
高校生なら誰でもしていそうな会話をしていると、
話題は転校生の京本くんの話へ。
田中「まさか転校生の席がAの後ろとは…京本くんだっけ？災難だな。居眠りばかりするのが前の席にいると勉強に集中できないだろうに…」
『あんたに言われる筋合いはない！』
松村「Aは転校生ともう話した？」
『うん。挨拶程度ね。遠目で見ると冴えない感じだったけど、近くで見ると綺麗な顔してたよ』
田中「ヤダーAったらハレンチ！」
『樹と一緒にしないでもらっていい？』
田中「俺今日転校生くんと話せなかったから明日話しかけてみよっかな！」
『樹みたいなチャラいのに話しかけられたら京本くんびっくりしちゃいそう』
松村「あなたがそうだったからね(笑)」
田中「あー去年の入学式の日の話か」
『まさかこんなに仲良くなるなんて思わなかったな〜』
田中「A友達少ないもんな」
『ふたりがいるから友達少なくても寂しくないよ』
松村「珍しく素直だね。かわいいこと言ってくれるじゃん」
『でしょ！北斗、もっとかわいいって言って！』
松村「安売りはしません」
田中「ハハッ！北斗最高(笑)」
『樹うざい！むかつく！』
田中「とか言って俺のこと大好きなくせに〜」
『…否定はしない』
北斗が言ったように、私たちは出会うべくして出会ったのかもしれないね。
もうふたりがいない高校生活なんて想像できないから。
代わり映えのない日々。
だけど、ふたりの存在が毎日に彩りを与えてくれる。
この日常がずっと続きますように。
夕焼け空を見上げ、そう願った。
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作者名：みさん | 作成日時：2024年2月29日 22時
